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クロワッサンとカフェオレがあればシアワセ

クロワッサンを食べたくって、朝のリチュエル。

新宿駅の駅ビルの地下。開業したときには、特徴のあるコンセプトの店が8軒、それに食品の売り場が集まっていた。
大好きだったパイの専門店「パイホール」とか、アパレルデザイナーのnigoがやってるカレー屋さんが相次ぎ撤退。跡にはビューティー系の物販店が入居した。
おいしいものよりうつくしいもの。
…、そういう時代なのかなぁ…、ってしんみりしちゃう。

リチュエルは一番奥の目立たぬ場所。小さな改札口の真ん前というリュクスなムードにはほど遠いロケーションではあるけれど、わざわざ客をがっちりつかんでほどよくにぎやか。
ライトブルーにオフホワイトというおフランス的インテリアも女子のハートをわしづかみ。
ボクが着席したのと同時に、お客さまがザーッと帰った。
スキンヘッドのおじさんが紛れ込んできたから帰ったわけじゃないのよネ…、ってドキドキしちゃった(笑)。

クロワッサンとトーストの朝食セット。お供の飲み物をカフェオレボウルにアップグレードして770円の朝。

まずカフェオレがやってくる。

カップじゃなくてボウルです。日本的に言えば「小丼」。
コーヒーを最初に注いでスティームミルクを注いで仕上げているのでしょう。ボウルの縁を伝って下のコーヒーが湧き上がって模様を作る。
両手で持つとずっしり思い。手のひらから伝わってくる重量感とあたたかさ。口に運ぶ前からすでにお腹がポワンとあったまる。コーヒーの風味混じりの泡がとろんと口を満たして喉からお腹を撫で回す。鼻から抜けるやさしい香りにうっとりしながらホッとする。

メインが到着。

クロワッサンとトーストにバターとマーマレードでひと揃え。
今日のクロワッサンは三日月型じゃなくてリボン型。割ると思ったほどにバリバリ壊れずちょっとしっとり。レシピが変わったのかしらと思う。

とはいえ生地には空洞たっぷり。
カサッと前歯をくすぐって焦げた表面がパラリと散らかり、ゆっくりとろけてなめらかになる。
バターの香りも華やかで朝のお腹がたちまち目覚める。
舐めた指までクロワッサン味。
おゴチソウ。

トーストをひとかけちぎってカフェオレの泡にのっけてみました。
見事に浮かんだ!
沈むことなくずっとゆらゆらミルクの泡の上に漂い揺れているのにウットリします。
スプーンで泡と一緒にすくう。ミルクの泡とコーヒー混じりの泡が作ったマーブル模様。口に含むとフワッと泡が溶ける感じがたまらない。
生地が粗くて空気を含んで焼き上がっているトーストです。パンがたっぷり泡を吸い込みとろける感じに口も気持ちも潤ってくる。

トーストをカフェオレに浸しながら全部たいらげ、さてクロワッサン。

ちぎると表面はハラリとちらかり生地はビヨーンと伸びてちぎれる。この異なる食感が一度に口の中に来て、徐々に混じってひとつになってく…、その食感の変化がクロワッサンを食べる醍醐味。

バターをのせるとクロワッサンのバター感が一層膨らむ。マーマレードをあわせると酸味と苦味が甘みをひきたて味わい華やぐ。
おいしいなぁ…、よきクロワッサンとよきカフェオレがあれば他になにもいらないほどのおいしさ。

お皿に散らかるクロワッサンのかけらを集め、マーマレードとバターに練り込みパクっと食べる。

体にみなぎるおいしいカロリー。今日はたっぷり歩きましょう。


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