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世界で1番手軽なミシュラン星付きレストラン・ティムホーワン

一日の前半をのんびりできる今日。
しかも新宿で友人3人と一緒にのんびり。3人揃えば飲茶に限る…、と「添好運」に来てみましょうかと朝に集まる。
ティムホーワンといえば、世界で1番気軽で安いミシュラン星付きのレストランと言われるお店。

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香港から去年やってきて有楽町にあけた一号店は未だにスゴい行列で、今年の春に新宿にできた二号店も連日行列。ただ有楽町の店ほどのウェイティングではないというので来てみた次第。
場所はかつてクリスピークリームが日本一号店をあけ最長3時間待ちという伝説を作った場所。その建物をそのまま使って営業してる。
11時開店。それで10時半過ぎに来てみたらもうウェイティング。メニューを渡され注文用の伝票が鉛筆付きで配られて、食べたいものをチェックしてという。あれも食べたい、これも食べたいなんて言いながら記入してたら行列が動きはじめる。時計を見たらまだ10時45分。にもかかわらずオープンという、なんだか得した感じがステキ。

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二階が客席。飾り気はなく機能的。
大きな窓の向こうが海ならば香港の飲茶の店に来たような感じがするのにウキウキします。
厨房は大きくしかも最近厨房機器がズラリと並ぶ科学の殿堂のようなキッチン。40種類ほどのメニューのほぼ半分が蒸し物で、それらはスティームコンベクションで仕上がっていく。
最少人数、最短時間で製造できる仕組みがあれば「安く、おいしく」を無理せず実現できるのですね。いまだに「気合とサービス精神」で安く売ろうと無理するお店があるけど、そんな必死は続かないもの。

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取皿やレンゲ、湯呑はみんなプラスティック製。その潔さが心地よく、サービスをするスタッフの笑顔はステキ。それぞれの出身国の国旗デザインの名札をつけてて、ムードはとてもアジア的。

料理はあっという間にやってきます。

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刻んだきくらげがたっぷり入ってシャキシャキとした歯ざわりの野菜蒸し餃子。エビとニラの蒸し餃子はどちらもすべすべとした皮が特徴。ネットリとろけて中の具材の持ち味、食感を引き立てる。
こんがり焼けた大根餅は、口の中で繊維がほぐれてパラッと散らかる。どれも調味料など使わずそのまま食べられるほど、しっかり下味が入ってる。
エビのすり身をくるんで湯葉で巻き揚げたのを、オイスターソース風味のタレをかけて蒸して仕上げる料理は、シットリやわらか。なのに揚がった湯葉の香ばしさの余韻がおいしい。おゴチソウ。
大きな鍋で蒸し焼きにした空芯菜はシャキシャキ歯ざわり軽快で、ゆっくり粘ってとろけてく。
豚肉焼売。その豚ひき肉を薄い生地で包んで茹でたワンタンに黒酢のソースをかけたモノ。エビのチョーフンは目の前でタレをかけ回す。ツルンと滑ってむっちり、ネットリとろける食感がたまらない。

中でもおいしいことにビックリしたのが蒸しご飯。

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牛挽肉と卵の蒸しご飯って名前の料理なんだけどステンレスのボウルに入ってやってきたときの第一印象は目玉焼きご飯のようで、色気もなんにもないのですネ。
目玉焼きの下には蒸しハンバーグみたいな牛挽肉のパテがあり、レンゲでそれを崩しながら食べるというモノ。
中華風のロコモコみたいな食べ物とでもいいますか…。
ところがこれがなんともおいしい。
醤油のように見えたタレは甘くて旨味がしみじみ強い。
目玉焼きの黄身はレア。
牛挽肉にはアミの塩辛のようなものが入っているのでしょうね…、海の旨味が香りがあってぎっしり詰まったご飯はジャスミンライス。その香りがまたおいしくて、こんな単純な素材同士の組み合わせが、なんでこんなに複雑で未知の味になるんだろう…、って不思議に思うほどのおいしさ。

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ティムホーワンを一躍有名にしたベークドチャーシューバオは、テイクアウトカウンターで買える唯一のここの商品。何度か買って食べたことがあったけれども、さすがに焼きたてはとびきりおいしい。メロンパンからインスパイアされたという生地はザクザク、中の叉焼餡はネットリ。甘じょっぱくってウットリしちゃう。

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ミルクゼリーを冷やし固めて分厚い衣でくるんで揚げたフライドミルクは、衣がザクッと壊れると同時に口の中が練乳味になっていく。ウットリします。お供のプーアル茶もほどよく旨い。

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40分ほどですべての料理はお腹に収まり、3人分で1万円ちょっと。サービスチャージが10%ついていたけどそれを不満に思えぬほどよきやさしさを感じることができたと思う。待たずに気軽に来れたら普段遣いができるのに…、と思ったりした。また来よう。


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