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レストランという存在の本質を味わった朝

ずっと朝の営業を休止していた帝国ホテルのなだ万が朝食営業をはじめた。もしかしたらヒルトンホテルの朝食バフェも再開したかも…、と思って来てみる。

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そしたら残念。
さすがにバフェ営業はまだ先のコト。テーブルサービスの朝食でした。
でもロビーに入ったボクの姿を見つけたマネジャーが近づいてきて、おかえりなさいませ…、って挨拶をする。オキニイリテーブルに案内されて、メニューを持ったスタッフにおかえりなさいとまた言われ気持ちがホッとあたたかになる。

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家に帰るたび大きな声でなるべく元気に「ただいま」って言うことにしてる。でも「おかえり」って言ってくれる人はいなくて、ずっと自分で「おかえり」っていう生活をもう5ヶ月も続けてる。だから「おかえりなさい」って言ってくれる人がいるって本当にうれしい。

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フルブレックファストを注文します。
まずシリアルにフルーツ、それからヨーグルト。搾りたてのオレンジジュースにコーヒーがくる。
オレンジジュースってなんだこんなに朝の景色に似合うんだろう。太陽を搾ってグラスに注いだような明るい色に華やかな香り。ほどよく甘く酸っぱくて、ときおり果肉の粒がトゥルンと喉を触って目を覚まさせる。
すっきり酸っぱく、ひんやり冷たいヨーグルトがピトッとお腹に張り付いて、それを合図にお腹が動く。朝だ、朝だよ、朝陽がのぼる。朝だ、元気がやってくる。

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メインが到着。
卵に2個の目玉焼き。
オーバーミディアムでお願いをして、サイドにベーコン、ハムにハッシュブラウン添える。
キャベツのにんじんのコールスローでひと揃え。

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白身はしっかり熱が通って黄身はトロッと半熟の彼の好みの仕上がりで、ボクも今ではこれが好き。

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黄身を潰してトーストを浸して食べると、ネットリ黄身がソースのようにふるまうおいしさ。
極薄に削って揚げて仕上げたベーコンも、カリカリサクサクのハッシュブラウンもオキニイリ。

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玉子一枚をコールスローやハムと一緒にパンにのっけて折りたたんで切り分ける。見た目はキレイじゃないけれど、カサカサザクザクねっとりとろんと食感にぎやか。朝の気持ちが満たされる。

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ボクは、レストランっていうのは元気な人がもっと元気になるためにくる場所なんだとずっと思ってた。
でもココロさみしく人恋しくて、何をやっても何を食べても満たされぬ喪失感をここに来れば癒やされるかもと思ってやって来ることもある。
レストランという言葉の起源。
それをひと口飲めば、すべての哀しみが癒されて元気がみなぎる魔法のスープの名前がレストランだったんだ…、ってコトを思い出させてくれたステキな朝ご飯。感謝しました。また来ます。


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