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浅草に来てそば屋のハシゴ

今日は浅草のそば屋を二軒、はしごする。

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まずは並木藪蕎麦で玉子とじそばを食べてやろうと開店時間を目指して向かう。
気持ちが勇んで10分ほど前についちゃって、中を覗いたらお店の人と目があった。
わざわざお店の外まで出てきて、急いで準備しますからしばらくお待ちくださいネ…、って。その2分後にはお店に案内されていました。ありがたい。
お店の人の仕草はやわらか、笑顔も声もやさしく気持ちがホッとおだやかになる。厨房の中も準備万端。大きな釜から湯気がもうもう湧き上る。

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「玉子とじそばをいただきます」と注文をして5分ほど。ここの卵とじそばは女王の風格、貴婦人のごとき優雅さをもつオゴチソウ。ワクワクしながら待って到着。うつくしい!

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チリチリと軽くよじれるようになりつつふっくら固まる玉子の姿がなにより見事。ふわりふわりと汁の上にただよう様にうっとりします。

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玉子の下には海苔がしかれてとろけた海苔が玉子のすきから顔をのぞかす。スルンとすすると玉子と海苔が汁と一緒に口の中へとすべりこんでくる。
端正に仕上がった歯ざわりのよい細いそば。玉子と海苔がそこにからんで口の中でバッサリ歯切れる。

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熱いそばではあるけれど七味ではなくわさびがついてくるのがここの流儀で、青い香りとすっきりとした辛みが蕎麦の風味を引き立てる。

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土瓶型の木の器に熱い蕎麦湯がやってきて、食べ終えた残りの汁をうめて飲む。かえしの風味で覆われていて出汁の渋みや苦味に酸味が顔をのぞかせ消えていく。オキニイリです、オゴチソウ。


今日の二軒目は尾張屋本店。

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並木藪蕎麦は11時開店。お店を出たのが11時15分ほど。終わりや本店は11時半開店だからゆっくり歩いても開店時間に十分間に合う。
案の定、開店前に到着し今日2回目のファーストゲストと相成った。

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海老の天ぷらがおいしい店で、天ぷらそばもおいしいけれど「ここの天丼はそば屋の天丼の最高峰だね」ってタナカくんは天丼を食べることが多かった。
それで今日は天丼にする。

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それにしてもお店はにぎやか。ほとんどの人が天ぷらそばが天丼で、うらやましいほど派手なジャケットが似合う浅草ダンディーも上天丼にビール一本、上新香。かっこいいったらありゃしない。
ボクは普通の天丼です。「上」でなくとも海老は立派で、丼から尻尾が突き出て蓋を軽々持ち上げる雄々しきさまにまずニッコリ。蓋をあけると天ぷら油とタレの香りが鼻をくすぐり蕎麦を食べたばかりのお腹がグーッとなる(笑)。

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花が咲いたように揚がった衣。ちょっと厚めでその分たっぷりタレを吸い込みぽってり仕上がる。甘めのタレです。甘いけれどもぺっとりした感じはなくて後口スッキリ。出汁がしっかりしているからでしょう…、口が疲れず飽きずもりもり食べられる。

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海老は上等。ブリンと歯ごたえ痛快で香り華やか、甘みを感じる。尻尾までもがカリッとおいしく香ばしい。
さっぱりとした味の汁には結び蒲鉾、三つ葉がたっぷり。ご飯はパラっと硬めで好みの仕上がりで、天ぷら衣の油をまとって口の中をコロコロ転がり散らかる食感が心地よい。

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おいしい天丼を食べると、天丼をおいしそうに食べてるタナカくんの顔をどうしても思い出す。今日もほんのちょっとだけ泣きました。


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