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24時間営業・無人販売・餃子の雪松

「餃子の雪松」っていうお店がある。

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群馬県の水上にある餃子の専門店のブランドで、最近多店化がはじまった餃子の直売所であっという間に100店を超えた。
その商売の仕方がとても独特で、24時間営業でしかも無人販売。
北関東からはじまって、神奈川県や山梨あたりまでお店が増えた。気になっちゃって調べてみたら、丸ノ内線乗換なしの新中野駅の近くにお店があるというので行ってきてみた。
店はどちらかといえば住宅地の街道沿い。

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小さいながら、お店の前の壁がほとんどガラスの扉。外を歩いている人や車の中からもお店の様子が見て取れる。

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店の中にあるのは買い方を説明する動画が流れる大型モニター。冷凍ショーケースにお金を入れるための賽銭箱のような箱。

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タレの入った冷蔵ケースに作業台という最小限の設備だけ。

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餃子を取り出し、必要に応じてタレや保冷剤、保冷バッグと合わせてお金を箱に投入。

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慣れてしまえば簡単だけど、お金を箱に投げ入れるだけというその割り切りにびっくりしちゃう。
商売って次の7つの要素で出来上がるってボクは思ってて、
①需要…餃子はあると助かる
②差別化…創業昭和15年の老舗の商品
③特徴…凍っている
④戦略…36個で1000円
⑤仕組み…決済がとても簡単
⑥投資…少額
⑦環境…物件獲得がとても簡単と、今の時期にお店を増やしやすい要素がふんだんに散りばめられている。特に「無人販売」で人手をかけなくてすむということがとてもタイムリーなのでしょう。

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決済をお客様の善意に頼っているというのが、このビジネスが成立している最大のポイントで、防犯カメラがわかりやすい場所に置かれているということもあるけれど、善意に対して善意で答える気持ちの強い日本ならではって感じもします。
それに昔、ビジネスホテルでは当たり前だった飲み物を引き出すと自動的に精算される冷蔵庫の導入費用とメンテナンスを考えるなら、冷蔵庫の中の飲み物を全部飲まれてしまってもそれほどコストは変わらなかった。
この店だってキャッシュレス決済システムなんかを導入すればもっとかっこよくフランチャイズシステムとして整ったのだろうけど、そうしなかったことで人間味あふれる隙あるシステムになったのでしょう。人は案外「隙」が「好き」(笑)。


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