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高円寺でハシゴ。フォーに天丼

高円寺に来てみる。中野の南側に住んでいたタナカくんにとって身近な街だったようで、おいしいお店をよく知っていた。
ボクが市ヶ谷に引っ越してからは、電車一本でこれる街にもなって、いろんなお店に連れてきてもらってた。
中でも一番のオキニイリだったのが「チョップスティックス」っていうフォーの専門店。

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当時、日本で生の麺を使っていたのはこの店ぐらい。
おいしいんだよ…、って連れていかれたのが駅前の八百屋の店先を通り抜け、肉屋を右手に眺めながら大一市場ってテントの張られた古いビルの一階という隠れ家中の隠れ家的なロケーション。

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ビルの中にはアジア料理の専門店がいくつもぎっしり並んでて、怪しいったらありゃしない。こういう怪しい場所が大好きだったタナカくん。四谷三丁目に引っ越してから、乗り換えしないと来れない場所になっちゃった上、ティンフックがあったから来なくなってた。なつかしい。

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牛すじとトマトのフォーを選んで食べる。大好きだった一品です。

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透き通った鶏ガラスープの中にフォー。生ならではのなめらかさとむっちりとした歯ごたえがあり、スープをたっぷりたぐって口の中を潤す。

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よく煮込まれてホロホロになった牛肉。甘い脂がスープの上にただよってキラキラさせるのがまたうつくしい。
生のトマトに葉野菜、もやし。熱々のスープの中で熱が入って香りや持ち味が力強さをましていくのがオモシロイ。

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自然な甘みとどっしりとしたうま味が混じり合うスープは体のすみずみに染み入るような滋養に満ちた味わいで、途中でお酢を垂らすとキリッと甘み、うま味がひきしまる。スープをごくごく飲みたいところ、今日はハシゴでもう一軒。ちょっと残して席をたつ。

高円寺はアーケード商店街の多い街。

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パル商店街の景色がしばらく住んでた高松の商店街の景色に似てる…、っていつもくるたびなつかしがってた。
その商店街の外れをちょっと入った路地に「天米」っていう天ぷら専門店がある。

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高円寺にはもう一軒、玉子の天ぷらで有名な店があるんだけれど、玉子がほぼ生というのが売り物。だからボクと来るときは天米だった。

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白木造りのカウンターに中に揚げ場がしつらえられてて、ランチの天丼が旨いのなんの。しかも当時は800円くらいだったかなぁ…。にもかかわらずエビが4尾に野菜までつく。
この雰囲気でこの天丼だったら1000円超えててもおかしくなでしょうって自慢げだった。今では950円になっていて、タナカくんの値ごろ感にやっと値段が追いついてきた。

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いつも食べてた「小エビ天丼」を注文しました。目を閉じると天ぷらを揚げる音がカラコロ響く。鍋が鳴いてるようだよね…、って言ってたよなぁ…。お茶にお新香、小鉢代わりの甘い卵焼き。お吸い物が徐々に食卓をにぎやかにして主役の天丼がやってくる。

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エビにししとう、茄子、かぼちゃ、それからしめじ。さっくりとした衣はタレをたっぷり吸って色黒でけれどこのタレ。甘すぎずさっぱりとした味わいでネタの持ち味ひきたてる。

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彼が大好きで今はなくなっちゃったつな八のイートインの天丼と似てるなぁ…、ってひさしぶりに食べて思った。かために炊けたご飯がパラッと散らかる感じも好みだなぁ…。おいしいでしょう、おいしいよねってニコニコしながら食べていた。その顔をみて、あぁ、この人は天丼が大好きなんだってはじめて思った。それがここ。


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