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One & One

かつて日本において珍しかったエスプレッソ。
今ではエスプレッソ専門店が随所にできた。
普通のレストランでも、あるいは家でもエスプレッソを気軽にたのしむことができるようにもなってきた。

エスプレッソがあればよかった時代が、エスプレッソがおいしくなくてはいけない時代を経由して、エスプレッソをたのしませる工夫がなければならない時代がやってきた。
それが今の日本じゃないかと思うのです。
例えばこんな楽しませ方。

「One and One」って名前の商品。
エスプレッソのシングルショットとマキアートを一杯づつ、別々のカップに入れて同時に提供するからワンアンドワン。
カップソーサーの凹みにおさまるマキアート。そのかたわらにエスプレッソのカップが寄り添う姿が愛らしい。

まずエスプレッソをズズッと啜る。
コーヒーってこんなに酸っぱい飲み物だったんだ‥、ってびっくりします。
苦味、渋みが混じっているからコーヒーらしい風味になっているけれど、それらを丁寧に覗いていけば柑橘ジュースのようなフルーティーな味があらわになるんだろうなぁ。
香り豊かで味わい濃厚。ほのかに甘みを感じるものの、苦味と酸味が鮮烈でお腹の中にポッと炎が灯るよう。

マキアートは同じエスプレッソを使っているにもかかわらずフォームドミルクを注いだだけで甘くなるのが不思議で不思議でしょうがない。
泡のぽってりしたのどごしも、甘さを強調する役目を果たしているかもしれず味わい芳醇。
そのマキアートを半分ほども飲んだところで、エスプレッソを入れてみる。

カップの底にちょっと残った程度の量なのに苦味強まりミルクの甘みに酸味のフリルが加わっていく。
どちらが好みかと言えば最初のオリジナル。
エスプレッソとミルクの割合がほんのちょっとだけ変わるだけでも味がこんなに変わってく。バランスって大切だなぁ…、ってしみじみ思う。オモシロイ。

ヴァーヴコーヒーロースターズというお店です。
最近、オキニイリのお店のひとつ。
気軽で明るくフレンドリーなムードがたのしい。カリフォルニアからやってきた店だからコーヒーの呼び方にカリフォルニア的なモノがある。
例えば「Pour Over」。
直訳すれば「上から注ぐ」…、つまりドリップコーヒーのことなんだけどドリップコーヒーという言葉はどこかコーヒー目線。プアオーヴァーというとお湯を注ぐ人の目線を感じてたのしい。オモシロイ。


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