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硬くてそっけないのに、おいしいプリン

やよい軒から路地を入った先に「トラノコ」っていうコーヒー屋さんがある。

正式な名前は「TORANOKO Roasted Coffee & Sweets」。

プリンが人気。食べにくる。
小さな店です。
なのに厨房の中には大きな焙煎機。
ケーキもここで作っているからお店の3分の2ほどが厨房という贅沢な造りをしてる。
カウンターに5席、テーブルふたつと欲がないとでもいいますか…、焙煎所の中でお茶をしてるって感じがたのしい。
お店の外にもコーヒーの豆の香りが漂っていて、お店の中の香りも華やか。アイスコーヒーとプリンのセットをもらいます。
まずアイスコーヒー。大きなグラスにたっぷりはいってやってくる。
そしてこれがあっけないほど飲みやすい。苦味、酸味、どちらもやさしく香りも明るい。喉をイガイガさせるでなく、お腹や胸を重たくさせるものもなくなのにおいしい。ビックリします。

プリンは大きく焼いて切り分けたもの。
あらかじめカラメルを上にのせて冷やして固めるている。

断面を見るとカラメルがプリンに染み込み濃い茶色からキャラメル色に移ろうグラデーションがなんともおいしげ。

これはおいしいに違いあるまいという断面です。
カウンターにストンと置いても揺れない仕上がり。
いわゆる「硬いプリン」というやつです。
小さなスプーンが添えられている。

生クリームやらホイップクリームやらも使わずプリンとカラメルだけというシンプルさ。
スプーンで切っても形は崩れずどっしり重たい。舌の上でも揺れることなくしばらくそのまま。噛むとムチッと崩れてく。
これまたやさしい味わいで、甘さも香りも控えめで最近流行りの濃厚な味わいのプリンをイメージすると拍子抜けする。

けれどおいしい。ひと口目よりふた口目が、ふた口目より三口目がと食べ続けるに従って味が舌に折り重なっておいしさをしみじみ感じる…、そんな味わい。
なによりカラメルソースがおいしいの。香ばしくってほどよい苦味。スッキリとしてキレの良い甘みに深い苦味がプリンをおいしくさせる。

カラメルがあまりにおいしくお皿に残ったのが勿体無くてアイスコーヒーに注いで飲んだら、ビックリするほどおいしゅうござった。オキニイリ。


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