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シュラスコが日本で流行りはじめたワケ

シュラスコの店が増えているようです。
南米スタイルの肉の食べ方。
肉を塊のまま串にさしてオーブン上のロースターで時間をかけて焼き上げて、テーブルサイドで切り分け食べる。
食べたいモノを食べたいだけ…、というのがたのしく、焼き肉とは違った新しい食べ放題のスタイルとして定着しはじめているように感じる。

まだシュラスコというものが一般的ではなかった頃から、本格的に取り組み今ではシュラスコの代名詞みたいになったお店が「バルバッコア」。
日本人がなぜシュラスコを認め、好きと感じるようになったのか。
南米に比べて肉のコストが高い日本で、なぜシュラスコをしようとする店が増えたのかという両方の理由がわかる。
だからときおり来てたしかめる。

理由のひとつは肉の種類の多さよりも、サラダバーの野菜や料理の種類が圧倒的に多いこと。
肉の種類は多いときでも10数種類。
それに比べてサラダバーに並ぶ料理やサラダ素材の種類は40種類を優に超える華やかさ。
ボクの中では肉食べ放題の店というよりも、野菜がおいしいお店としてすりこまれてしまっているほどで、これほどすばらしいサラダバーは他にないんじゃないかと思えるほどに見事なサラダバー。

野菜の種類がまず多彩。
レタスにロメインレタス、サニーレタスに紫キャベツ。チコリにエンダイブと葉っぱ野菜だけでも何種類も用意されてて、それにくわえて加工された野菜がたくさん。
ドレッシングもさまざまで、けれどチーズやオリーブオイル、バルサミコ、塩に胡椒にスパイスと自分でドレッシングのようなものを作って野菜をおいしくたのしむことができる…、想像力の数だけおいしいサラダができる。

冷たいモノだけじゃなく炒めたケールやフレンチフライ、フェジョアーダなんかもおかれてて、これだけでも十分、来る価値がある。

厨房の中で焼かれた肉が次々テーブルまで運ばれる。
テーブルサイドにプラスチックの丸いプレート。
表は緑色、裏は赤色。緑色の間は肉のお代わり頂戴の合図でひっくり返すとストップサインというのもたのしい。
目の前で串から肉を外したり、切り分けたりとサービスしてくれるのがサービスしてくれている…、って実感が湧く。厨房の中の人は少人数。店内にいるほとんどの従業員が客席ホールにいるというのが、上等な店というイメージを醸し出してる。焼肉店にはない魅力。

イチボやミスジ。サーロイン。
ランプにハラミのガーリック焼き。
最近、焼き肉の店で人気の部位が次々やってくるから自然と食べ比べることができる。
食べ放題というよりも食べ比べ…、って感じがたのしい。
しかも焼き肉では薄切りにしたそれらを焼く。
ただ焼き肉では薄切りにしたそれらを焼く。
けれどここでは塊のまま焼いて、焼けてから切り分けるのがシュラスコ。肉汁をたっぷり中にたくわえて、それぞれ見事なレアで仕上がる。
肉の表面に塩をしっかりほどこして、その塩味が肉の旨味を引き立てる。
サルサソースと醤油ベースのタレが用意されているけど、それらを使うことはなし。
塩と脂で味がしっかり整うところが牛肉という素材の見事な底力。

不思議なことに焼肉店ほど肉を食べることができないんですネ。
「肉そのものを食べさせる」というこのスタイルだと、300g分も食べると満足してしまう。
焼肉店だと、タレという食欲をすすますものが肉に貼り付け、焦げて仕上がる。だからたくさん食べられる。
ちなみに焼肉店は肉そのものの良さをそれぞれ競ってがんばる。だから和牛なんかもメニューに取り込まないとなかなか差別化できなかったりするのだけれど、シュラスコではほぼ輸入牛で作られる。
それを誰も不思議だとは思わず食べる。
ちなみに輸入牛であれば100gせいぜい300円前後でほどよい品質の肉を仕入れることができるから300g食べても肉の原価は1000円程度。
サラダバーをつけて飲み放題をつけたとしても、それに5000円を超える値段をつけられるのは、手厚いサービスがあればこそ…、って思ったりする。

肉だってソーセージだっていくらだって食べられるのに、それでもここで1番好きなのがパイナップル。芯を串刺し。丸ごと表面に焦げ目を付けて焼き上げたもの。熱々をパクっと食べるとパイナップルの甘い香りがひときわ際立ち鼻からぬけて、酸味と甘味で口の中がみずみずしくなる。

それから今日の発見がマラクジャジュース。パッションフルーツみたいなジュースっていうので飲んでみると酸っぱくスッキリ。肉の脂で疲れたお腹がさっぱりしてくる。夏にはおいしげ。冷蔵庫に常備しておきたくなるおいしさ、オキニイリ。
ソフトクリームにワッフルコーンの帽子をかぶせホイップクリームに生キャラメル。スイカをお供にお腹に蓋した。夏の元気になりました。


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