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日本の朝の日本の朝食

移動制限がなかなかとけぬ今。
ホテルのレストランは大変な状況で、特に宿泊客に大きく依存していた朝食を提供するレストランが減ったまま。
中でも和朝食を気軽に食べることができるお店は激減しました。
贅沢なものでなくてもいいのだけれど…。

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炊きたてのご飯があって汁にご飯のお供がそろっていさえすれば朝のお腹はよろこぶモノで、ホテルがダメならこんなお店と代々木の田んぼ。

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コロナで街中が深刻になっていた頃から朝食営業をはじめてずっと継続中。
今ではおなじみさんもついたようでほどほどにぎやか。お店で食事をするだけでなく、おむすびやお弁当を買いに来る人も結構多くて、朝の胃袋をたのしく満たす店っていいなぁ…、ってしみじみ思う。
朝食専用のメニューはひとつ。「田んぼの朝ごはん」という定食で、けれど昼からのおむすびや小鉢のメニューも注文できて自分好みを組み立てられる。

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今日は田んぼの朝ごはんにぬか漬け、辛子明太子、焼海苔たのんでひと揃え。
朝ごはんには焼き鮭とお櫃に入った炊きたてご飯。甘い卵焼きに刻み海苔、なめこ汁に漬物がつく。しゃもじに田んぼの焼印があり、水に浸して表面しっとりさせているのにウットリします。おひつの中のご飯はたっぷり茶碗に3杯分ほどあって、若干かためにカチッと炊けた好みの仕上がり。

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おひつの中でご飯はずっと適度な湿度、温度で居心地良さげにしてる。料理をおいしく食べるには、まず料理自体が心地よくホッとできるように保って上げることが大切。いい気持ち。

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細かな粒がしっかり整う明太子。
おろしたばかりの大根おろしに奈良漬け、たくわん、山芋、キュウリににんじん、大根と5種類揃うぬか漬けとご飯のお供がキチッと揃う。
なにより焼いた鮭が凛々しい。

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メニューに「皮ぱりぱりの」とワザワザ説明があるように、皮はパリパリ。よく焼けている。
近づいて鮭の表面をみると細かな泡のようなものがびっしり張り付いていて、焼いてる途中に滲み出してきた脂が揮発した跡の穴。食べる前からもうおいしい。

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ご飯はパラリと口の中でちらかり踊る。それだけで十分おいしいご飯の上に明太子をのせ海苔でくるんでパクリと食べる。口の中で明太おむすびができあがり、魚卵の旨味と海苔の風味でご飯がますますおいしくなってくシアワセな朝。

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なめこ汁がしみじみおいしい。まずなめこが上等で、トゥルンと唇の間を滑って口の中へとやってくる。噛んでやろうと頑張ると、がんばったぶんだけなめこが転がり逃げ回る。昆布と鰹節を惜しみなく使った出汁に仙台味噌。強い旨味も後口すっきり。これでご飯が一膳いける。
そして焼き鮭。皮と一緒にひと切れパクリ。パリパリとわざわざ謳うだけのことはある、バリッと皮目は焦げて仕上がり噛むとザクッ。生臭さもなく焦げた脂の香りと共にじゅわっと脂の旨みが口に広がる。
もうひと切れをご飯にのせて刻み海苔をちらしてほうじ茶。
お茶漬けにしてサラサラ食べると、鮭の脂がお茶に溶け出し調味料を使ってないのに味が整うゴチソウ茶漬け。
変わったものがあるわけでなく、普通のものが本当においしい。朝ご飯でこれでいいんだってしみじみ思う。オキニイリ。


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