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緑の看板とハムトースト

一昨昨日、浅草橋の「有楽」に行ってチモトコーヒーの緑の看板をみたら無性に高円寺の「ばらーど」に行きたくなった。

それで今朝。
高円寺の駅から中野に向かってテクリテクリとのんびり歩いて15分ほど。昔だったら迷わずタクシーに乗ってただろうなぁ…、なんて思いながら歩いた先に緑の看板。

撤去されたお隣さんがすっかり更地になっちゃって、看板のポツンと感にほっこりします。
首をかしげるように立ってるメニューも趣深し。

シニアさんが多い店。
けれど今日のお客さま方、みんな若い人たちで空気が明るく華やぐ感じ。食事している間に彼らが帰り、シニアさんに入れ替わりいつもの景色になっていく。
世代を超えて愛されるってステキなこと…、ってしみじみ思う。

ハムトーストのセットをもらう。
お供はアイスコーヒー、まずはサラダがやってくる。
レタスにきゅうり、トマトにフレンチドレッシングと言う組み合わせ。
レタスがシャキッとみずみずしくて、きゅうりがバリッと砕けてパキッと目が覚める。
トマトの皮が湯剥いてあって、しかもキリッと冷やされている。

今どき威張ったレストランでもしないひと手間。ウットリします。

トーストが焼ける香りに続いてカリカリ、トーストの表面にバターを塗り込める音がする。
そして間も無くハムトーストが出来上がり、アイスコーヒーと一緒に運ばれテーブルの上がにぎやかになる。

ザルの上に紙ナプキン…、ハムを挟んだだけのいつもの姿にホッとする。

一切れがひと口分にはほんのちょっとだけ大きめでふたつに噛み切る。
焼けた食パンがカサっと前歯をくすぐってサクッと歯切れる。ハムがムチュンとちぎれてトーストに塗ったバターがジュワッとしみだし口を一瞬涼しくしていく。それをパンが吸い取ってむっちりとしたハムの食感におきかわる。噛めばすべてが混じってとろける。

おいしいなぁ…、しみじみおいしい。必要なものだけでできていて、それ以外になにも必要とせぬ潔い味。
パンの焼き加減も見事でいつもながらにウットリします。

ハムトーストを乗せていた紙ナプキンにバターのシミが残っているのがおいしい名残り。
アイスコーヒーに浮かべたミルクがずっと浮かんで漂っている。乳脂肪分たっぷりで味わい濃厚。

小銭入れの中を探したら750円ぴったりあった。ゴキゲンなり。


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