讃岐じゃこれをうどんと呼ぶんだぜ!
ちょっとご無沙汰だった「本広うどん」。
香川県でうどん屋さんを営んでいたご夫妻が、東京に移住して作った「松井製麺所」という店が前身。
表通りに面したビルの半地下部分にあって、ほぼ正方形の形のいい店。半分地下ということを除けば、この上もないほどいい店だった。
讃岐式のセルフの店で、お店の人の讃岐弁もなつかしく、タナカくんと二人で本当によく行っていた。
けれど閉店。
大家さんと契約の件でいろいろあったんじゃないのかなぁ…。
近所で物件をみつけて必ず再開しますからね…、って言葉を信じて首を長くして待っていたけど、再開前にタナカくんは逝っちゃった。
新しい場所は通りの反対側でビルの一階。ただ長い通路の突き当りにあり通りからはまるで目立たぬ隠れ家立地。それでもそこそこ流行っているということは、それだけ多くのお客様がついていたっていうことでしょう。
ビルから突き出した棒に店名を書いたのぼりが下がっているのだけれど、いつも風でめくられていてほとんど読めないところがお茶目で笑っちゃう(笑)。
今日も女将さんは明るく元気。「おひさしぶり」っていうと「ほんとにひさしぶりやなぁ…、元気やった?それにしても暑いなぁ」と矢継ぎ早の讃岐弁。おふくろの実家に帰ったみたいな感じになるのがたのしい。
暑い午後です。シャキッと冷たい「ひやかけ」にした。
お供にスパムおにぎりと天ぷらを2種。天ぷらは揚げたてをお持ちしますネ…、って言われてうどんとおにぎりだけをトレーに乗せる。好きに使えるネギに天かす、おろしショウガがカウンターに置かれているのも讃岐的。別のお皿に盛り込んだ。
まずは一本、うどんをつまんでスルンとたぐる。
冷たくしめられキリッとしてる。
コシがあって歯ごたえがよく、けれど硬いかというとむっちりなめらか。
喉越しもよい。
そして汁をコクリと飲むと、冷たいのに出汁のうま味や風味がしっかりしていて旨い。
ラップで包まれたスパムおむすびは甘じょっぱい。しかもどちらかというと甘い方よりの甘じょっぱさで、挟んだ卵焼きが甘いのですネ。その甘じょっぱさがうどんの汁と混じるとちょうどいい塩梅になる。
きつねうどんの油揚げも肉うどんの炊いた肉も甘いからこそうどんの汁をおいしくしてくれるとの同じなんだろうな…、と思ったりする。オモシロイ。
お待たせしましたと天ぷら到着。ひとつはいつもたのむえびちくわ天。香川独特のエビを殻ごとすりつぶし魚のすり身に混ぜて作ったオレンジ色したちくわで作った天ぷらで、ふっかりとして噛むとコツコツ、殻があたって食感たのしい。エビの香りや味わいも力強くてオキニイリ。
もう一種類は「三豊なす」。香川県の西部の三豊で昔から作られている多く丸い茄子で、その形、食感、味は水なすによく似てる。皮は薄くて揚げるととろける。汁にとっぷり浸してやると、出汁を吸い込みとろけに拍車がかかって旨い。
おいしいなぁ…、って汁をゴクゴク飲んでたらサンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が流れてきた。タナカくんが好きな歌でよく歌ってた。涙がでたよ…、なつかしい。
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