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せいろに鴨南、生粉打ち三昧

昼、高島屋の小松庵。

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新宿の高島屋の中にある小松庵…、と言いはするけれど正式には「タカシマヤタイムズスクエア」の「レストランパーク」にある小松庵。
百貨店の高島屋も東急ハンズもニトリも紀伊國屋書店もタカシマヤタイムズスクエアのテナントで、そういう意味で新宿高島屋は食堂街を持たぬ百貨店というコトになる。
ちなみに新宿高島屋があるのは渋谷区千駄ヶ谷。千葉にあっても東京ディズニーランドというのと同じでござる。オモシロイ。

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気持ちのよい店です。
大きな窓。明るい店内。白木造りのインテリア。
窓の外には西新宿の超高層ビル街が間近に迫り、はるか向こうに都庁が見える。都会だなぁ…、ってワクワクします。

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白いシャツに黒いズボン、ネクタイしめたサービススタッフはそば屋というより日本料理のお店の人たちみたいで背筋が伸びる。心地いい。

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ここでオキニイリなのが「生粉打ち三昧」。
混ぜものをせずそば粉100%の生粉打ちそばを売りものにしている店で、かつては二八そばか生粉打ちそばを選べたりもした。今ではおそらく販売量が減ったこともあるのでしょう…、生粉打ちだけになっている。

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そばの香りが力強く、むっちりとしたねばる食感が男性的な生粉打ちそばの味を思う存分たのしむ工夫の生粉打ち三昧。冷たいせいろに熱い鴨南。天ぷらまでつきひと揃えという「食べたいもの三昧」でもあるオキニイリ。
丸いざるに盛り付けられた蕎麦はキリッと角が立っていて、つやつや輝きみずみずしい。手打ちで手切り。にもかかわらず厚さ、太さがどの一本をみても均一。熟練の手わざは機械の精度をときに超えることがあるって思ってウットリ。

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鴨南蛮は実はあまり得意じゃなかった。
鴨独特の脂の匂いが蕎麦の風味を邪魔するような感じがずっとしていたのだけど、食べ慣れると結構ハマる。
そもそも鴨のグリルは好きで、だから鴨そのものが苦手というわけじゃなかったのです。

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ここの鴨は脂を丁寧に削ぎ落とし、肉の風味や旨みだけを堪能できる。
スッキリとした酸味がおいしいここの汁に、鴨の風味がほどよくあってしかも焦がして焼いた白ネギの香りが鴨の匂いをひきたて、まさにカモネギ。
熱い汁の中でゆったり、熱を蓄えた蕎麦はねっとり。冷たいそばのゴリゴリとした歯ごたえはなくしてしまうも蕎麦の風味や汁と一体化するかのような力強い味は格別。七味をパラリとちらしてズルリ。お腹に向かっておいしいそばが一気に喉を駆け下りる。

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冷たいそばのタレは2種類。ひとつは鰹節の酸味があとをひく醤油だれ。もう一種類は胡麻だれで、どちらが好き?と聞かれると困ってしまうどちらも好みのオキニイリ。
醤油のたれにはわさびをあしらう。胡麻だれように小さなサイコロ状のきゅうりが用意されてて、これがいい。胡麻のポッテリして口をかわかすような重さをきゅうりのシャキッと砕ける食感、みずみずしさが相性がよくて、家でも胡麻だれでそばやうどんを食べるときにはきゅうりをあしらい食べるほど。

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エビに穴子、カボチャに茄子の天ぷらは塩でそのまま味わえるようになっているけどエビは醤油のたれに浸して、鴨南蛮には茄子、穴子。

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天ぷらがおいしくなるうえ、たれや汁までコクが出る。

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ポッテリとした蕎麦湯でゴクリ、出汁の旨みをしっかり味わう。満たされました、オキニイリ。


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