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浅草に見る未来の外食

気になって浅草。一時期、絶望的に人がいなくなっちゃったって心配されてた街にもほんのちょっとづつ人が戻り始めているようなほのかなにぎわい。

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海外からの人も多くて、もしかしたら今の日本は世界で一番自由な国…、その自由の根拠がどこにもないのが悩ましくはあるけれどありがたいな、とも思う。

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雷門の大提灯が自粛中。
人が集まりいつもここで写真を撮ってるから濃厚接触のメッカになっちゃう。それを避けるためなんでしょう。めったに見られる景色でござる。
インバウンドの街という性格がついた浅草には大手チェーンが新業態を続々出した。グローバル店舗みたいな位置づけで未来の市場を探ってる。
かつて東京で最先端の街が古ぼけた街になった末、再び最先端を試す街になったというのがオモシロイ。
サイゼリヤがはじめたというスパゲティーの専門店にくる。「伊麺処」とかいてパスタドコ。浅草駅近くのアーケード街の中にできてた。

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入り口入るとカウンター。注文をしてお金を払ってそこで待つ。出来上がった商品をトレイにのっけてもらってテーブルに自分で運ぶというセルフサービススタイルの店。

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店の雰囲気は和モダンとでもいいますか。
インバウンドを狙ったように見える店。
ワンコインでパスタが食べられる…、っていう点がアピールされてるみたいだけれど立って待てる程度の時間で茹であげパスタが提供されるという部分の方が重要じゃないかってボクは思う。
短時間で提供できるということは、安いということよりもビジネスチャンスが広がるに違いないから、だからこの店には興味津々。たらこのスパゲティーをサラダと飲み物のセットでたのむ。飲み物は抹茶ドリンク。ちょっと甘みの入ったこれもインバウンド仕様。サラダはキャベツのコールスロー。ほどよい状態。

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スパゲティーは不思議な食感。アルデンテのようでいて芯が残っているのでなくて麺の表面から芯の部分まで同じ硬さで表面スベスベ。噛むとどこかに逃げていきそうになる食感。消化が悪そうだから腹持ちはいいんだろうなぁ…、って思ったりする(笑)。

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塩を加えぬお湯で茹でているのでしょう…、麺そのものに味は入っていないからたっぷりのソースにからめて味わうスタイル。このソースはサイゼリヤのたらこスパゲティーのソースそのもの。上に焼いたたらこがそのまま乗っていて、それを芯にしてパスタをたっぷりまきとって食べると美味しく味が整う。

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テイクアウトがよく出てました。アメリカの中国料理屋のデリバリーで使われるような直方体のパッケージ。インバウンド向けと考えずショッピングモールや大都市圏のオフィスビルの中に入っていけば案外オモシロイかもって思ったりした。いい勉強。

それからくら寿司。グローバルフラッグシップ店舗をロックスっていう商業ビルの中に作った。

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開店当初はその大きさと、お店の中にお祭り屋台のようなものを設えて、インバウンドの人たちに日本を気軽に体験してもらおうとうテーマパークのような工夫が話題になった。
ビルの4階。100円ショップの奥に入口。タッチパネルで人数を入力してウェイティングコーナーで待って着席を待つというシステム。日本の人たちでごった返しておりました。

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カウンターを一席おきでしか使っていないから稼働席数が少ないということもあるのでしょうけど、今の時節にこの賑わいはとびっくりします。小さな子供連れのファミリー客が多いところに今の回転寿司の役割感じる。
30分ほど待って着席。カウンターの中に醤油やガリ、箸が格納されていてオーダー用のタブレット。お茶は粉茶で回るお皿の上にはカバー。2階建てのベルトの上は超特急でやってくる寿司。未来の景色。

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寿司の種類そのものはそれほどはない。
売れ筋厳選っていう感じ。
握りは全品、シャリ半分という注文ができ勉強兼ねてといくつかたのむ。
お腹いっぱいにしたくないから一貫モノだけ。

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ホタテに熟成トロにイカ。
高級ネタは二皿分の値段で、二皿を積み重ねて着脱自由の箍のような道具を嵌めてやってくる。食べたらお皿をカウンター前のスリットに入れれば自動精算となる。
いつも行ってるのどかな回転寿司とは違った痛快なほどの合理化システム。
寿司はなかなかの状態でした。ただやっぱりシャリとネタのバランスっていうのがあるんでしょう…、シャリだけ半分にしてしまうと寿司じゃなくって刺身を食べてるみたいな感じがするんだなぁってちょっと思った。

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ウニの手巻きは海苔が頑丈。超特急でやってくるとはいっても時間がかかってしまう。その間に湿気ってしまわぬようにというコトなのかもしれない。バリバリ前歯を酷使する(笑)。

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醤油ラーメンを試してみました。グルテンフリーの麺を使った追い鰹醤油ラーメン。その追い鰹がパックに入ってくるというのも面白ければ、こぼれぬように密閉式の蓋と一緒にくる椀も、このスタイルでテイクアウトもできちゃうかもねって思ったりした。

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なによりチープさのかけらもない空間が気持ち良い。高い天井の箱の中に日本家屋の骨組みが二棟並んで設えられてる。やわらかい白木の色に乳白色の照明と、神々しささえ感じる空間。未来だなぁ…、ってしみじみ思う。お勉強。


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