ほどよく涼しい追分だんご本舗の豆かん
新宿三丁目をぶらっとしてたら氷の富士山、発見します。
桶の中にぶっかき氷がぎっしり敷かれて、その真中に氷の柱。
いつ置かれて、どのくらいここで頑張っていたんだろう…、角がとれて表面なめらか。
そこだけなんだか涼しげで思わず近づき写真を撮った。
場所は追分だんご本舗の店先。
店名の通り団子の店です。
店頭は販売コーナー。色とりどりの団子がズラリと並んでる。奥に茶店があっていつもは、お茶と団子。あるいは自慢のあんこを使ったぜんざいなどがたのしめる。
けれど今の季節はかき氷がおし。
軒下にも氷の旗がはためいていて、氷の柱の横のショーケースにもかき氷のサンプルがズラリ並んでゆく人たちの気をひいている。涼をとろうと茶店に入る。
さすがに女子の花園。
おばさまたちや若い女性がニコニコしながら氷の山を崩してる。
とはいえ甘味男子もちらりほらりと。
宇治金時や和栗の氷とたのしく格闘してらっしゃった。
ボクはあまりお腹を冷やしたくなく、それで「豆かん」。
和風甘味で1番好きなものをたのんだ。
シンプルなお菓子です。
サイコロ状に切った寒天と塩水で炊いた赤エンドウ豆に黒蜜だけの組み合わせ。
それだけに素材ひとつひとつの持ち味、状態で味が劇的に変わってくるのがたのしいところ。ここの豆かんは豆が多めで寒天の風味よりも豆の味わい、食感をたのしむ趣向。あんこが自慢の店ならでは。
豆の炊き具合が絶妙なんですね。表面硬めで噛んだ瞬間はコリッと確かな食感がある。ところがその食感に驚くまもなく、ホロリと崩れて口の中でとろけていく。強めの塩味で、それが豆そのものの甘みをひきたて飽きずずっと食べられるほど。
黒蜜を少々かけると豆の甘みが劇的に膨らんで、寒天自体のスベスベ感も際立ってくる。甘い…、なのに甘さが積み重なっていくようなことがなく、口の中が空っぽになると甘みはひいて次の一口で新たな甘みを感じるところが蜜の不思議でおいしいところ。
熱い煎茶をお供にパクリ。体はすっかりリフレッシュ。
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