鶏皮嫌いもうなる皮身の、5本重
おいしい焼き鳥重を食べたいなぁ…。
炭の香りのするおいしい焼き鳥。鶏の脂と一緒に焼けて香ばしいタレ。タレが染み込むご飯と頬張るたのしさ。
そんなおいしい焼き鳥重を食べたくって、丸の内にある「伊勢廣」にくる、
帝国劇場の入ったビルの地下にありそのフロア全体に漂う昭和な空気と、気取りのない雰囲気がいい。
焼き鳥重は串3本から5本まで串焼きの本数を選ぶ。5本重だと、もも肉、団子、ねぎ巻き、皮身に砂肝という組み合わせなのだけれどこの砂肝をレバーに代えてもらうのがいつもの注文。オキニイリ。
カウンターの一番奥で串は焼かれる。スゴイ煙に包まれて串を動かすたびに脂に火が移り煙がブワッと明るく光る。喉がなります…、目のゴチソウ。
蓋付きの器です。
蓋をあけると綴じ込まれたおいしい香りが花を開かす。食欲の扉をノックする感じ。
串をはずした焼鳥がぎっしり並んで肩寄せあって…。
伊勢廣で独特なのが「ねぎ巻き」。
薄くそぎ切りにした鶏胸肉でぶつ切りにしたネギを巻いて串を刺しししとうと一緒に焼き上げる。バキバキ歯切れるネギが甘くて芯はとろけて存在感が抜群だけど、それを包んだ鶏むね肉のふっくらとしておいしいコトに食べるたびにウットリします。
脂をしっかり焼き切って仕上げた団子はバッサリ乾いた味わいで、噛むのがたのしい。塩味。しかも軟骨などを混ぜて工夫をしたりしない粗挽きにした鶏ひき肉だけという直球勝負なシンプルさ。タレをまとったご飯と一緒に食べるとなんとも塩梅が良い。
そして「皮身」。皮をたっぷりつけた肉をこんがり焼く。焼いて焼いて、脂が溶け出し細かな穴が皮に空いて仕上がる。鶏の皮は基本的に苦手でいつもは食べない。ぶよぶよした食感と鶏の脂独特の匂いがどうにも駄目なんですネ。
ところがこれはサクサクしていて煙の香りがさわやかで、噛むとシュワッと脂が揮発して消える。鶏皮嫌いがこれを目指したワザワザ来ちゃうオゴチソウ。
サクサク歯切れる鶏のもも肉。むっちりとろけるレバーもおいしい。タナカくんも好きだったよなぁ…、ニューオータニの店には一時期よく行っていた。なつかしいなり、オキニイリ。
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