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岡山の「食堂やまと」で焼き飯世界の頂点に出会う!

岡山に「やまと」という食堂がある。

中華そばがおいしい。かつ丼、とんかつがおいしくて、ハヤシライスにカレーがあって、焼き飯がまたおいしかったりする店です。
つまり、日本中、どこにでもありそうな大衆食堂であってけれどこれが独特。

いつもにぎわう店でもあって、雨ではあるけど今日は日曜。開店15分ほど前にお店についたらすでに10個以上の傘の行列。傘はそれからも増え続け、オープン同時に店は満席。無事一回目ですべりこむ。
注文をひとりひとりとっていき、全部取り終えたところでその注文を読み上げる。「カウンター左端のお客様は五目そば、右二番目のお客様は生小とんかつ少そばで…」と読み上げられる注文を厨房の中でじっと聞き入るご主人、それから息子さん。

頭の中で調理の手順を組み立てながら聞いているのでしょう…、注文がずべて読みがったと同時にスゴい勢いで料理が次々作られる。

飲食店にとって、一挙にお客様がやってきて一度に注文をとることは厨房に負担がかかってしまうこと。ほとんどの店が嫌うことを、ここではいつも当たり前のようにやってのける。
家族でやってるお店です。男性は調理、女性はサービスとあらかた役割分担はできているけど料理が出来上がりはじめると、みんなが厨房の中に入ってよってたかって料理を仕上げる。家族ならではのチームワークにいつも惚れ惚れしながら待つ。

待ってるお供は茹でキャベツ。茹でたキャベツにソースをかけたものなんだけど、このソース。デミグラスソースではあるのだけれどスープのベースがいりこの出汁。やさしい香りと軽いエグミがとても独特。オキニイリ。

デミかつ丼といえば岡山名物。
ここのメインのひとつがかつ丼。
いつもそのかを中華そばの小をお供に食べていた。
でもジャジャジャジャッと中華鍋で湿った音を立てつつ仕上がる焼き飯もおいしそうで、あれも食べたいと思ってた。
そしたらなんとその焼き飯にとんかつのせてソースをかけた「とんかつ焼き飯」なる料理がある。

…、というのでたのむ。
叉焼の端材にかまぼこ、玉ねぎにネギ、ピーマン、エビがたっぷり混ざってしっとり焼かれた焼き飯の、おいしいことにまずウットリ。
パラパラすべすべ。ラードを使って仕上げてあるから脂の旨味に悶絶しちゃう。

かつも上等。カサッとこれまたラードで揚がり、細かなパン粉がさっくり壊れて食感にぎやか。肉はほどよく薄くてふっくら、やわらかい。ソースもやさしく焼き飯と一緒に食べてもくどくはなくてバランスいいのにニッコリします。

なによりスプーンで食べられるよう一口大に切りわけられてて、かさかさサクサクパラパラそしてぽってりと、、口の中をにぎわしおいしくなっていくのがオモシロイ。ボクの中の焼き飯世界の頂点に堂々君臨しちゃったなぁ…、って食べてたちまちオキニイリ。

お供の中華そばはそばというよりスープの代わり。ストレートの細麺は固めに仕上がりそれはおいしい。けれど量は少なめで、もやし、叉焼、メンマと具材も最小限。
ただスープはたっぷり。こってりとした豚骨系のスープではある。けれどベースはやはりいりこで苦味と渋み、そして香りがなんともおいしい。脂が蓋してずっと熱々。ハフハフしながら焼き飯を食べ、フウフウしながら汁を飲む。気持ちがしっかりあったまる。


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