汁を心置きなく味わうのなら天とじ蕎麦が一番かもネ…。

先日食べ損なった蕎麦を食べようと、尾張屋本店。

今年最初のゴチソウそばを「天とじそば」にしようと注文。天ぷらの揚がるおいしい匂いの中で、しばらく待ってやってくる。

丼からはみ出すほどに堂々としたエビの天ぷら。健康色のキレイなしっぽが２本並んで、衣はパリッと。
しかもエビの天ぷらの上にふんわり、出汁でとじられた卵があたかも掛け布団のごとかけられている。
そばはスルンとなめらかです。
自然な甘みと旨味がしっかり溶け込んだ出汁をたっぷりたぐってズルンと口の中へとなだれ込んでくる。次の一口たぐろうと箸を操る間もずっと、出汁の旨みと香りが口に居座る。スッキリとした酸味が後口をひきしめるのもいい感じ。

玉子はふっくら。口に中でゆっくり潰れて出汁の旨みを吐き出し消える。布団をかぶった部分の衣はすでにとろりととろけてる。それがエビのムッチリを引き立てて油の風味がエビの甘みを濃厚にする。
衣を脱いでも立派に太く、歯ごたえ痛快。噛めば噛むほど旨味や甘みを強く感じるステキ。

エビの天ぷら、そばにつゆ。玉子以外にあるものといえば刻んだ三つ葉くらいなものでとてもシンプル。互いが互いを引き立てあって天ぷらそばとは違ったおいしさにウットリしながらズルズルハフハフ。
残るはおいしい汁ばかり。

玉子が出汁をまろやかにして味わいなめらか。飲みはじめると休むことも忘れてゴクゴク。気づけば一滴残らずお腹に収まる、オゴチソウ。

尾張屋 本店 (浅草（つくばＥＸＰ）/そば)