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ショパンで朝のハムトースト

ショパンに来ます。オキニイリの喫茶店。

住所は神田須田町で最寄り駅は丸ノ内線の淡路町。JRの神田駅前は新橋みたいなざわざわした雰囲気で、同じ神田でも須田町界隈はしっとりとした昭和風情の落ち着いた町。いぶし銀的お店が多くて、ここもそういうお店のひとつ。

メニューも昔からずっと変わらずコーヒー、紅茶、サンドイッチやトーストだけ。

ところが数年前にここの「あんトースト」が人気になって、それを目当てに来る人たちでたまににぎやかになることがある。
今日がそういう朝でした。そういうときに限ってマスターひとりでやってらっしゃる。ちょっとバタバタしてらっしゃった。のんびり手隙のタイミングを待つ。

ハムトーストのセットを注文。
ブレンドコーヒーをお供にしました。
5分ちょっとで料理は完成…、お待たせしましたとやってくる。
メインのハムトーストのお皿の様子がいつもと違ったように感じてじっと見つめる。

あぁ、そうか。
いつもついてるパセリがどこか行方不明。せわしなくって忘れちゃったのかもしれません。
パセリは食べる派だからちょっと残念。しょうがない。
それにしても今日のトーストはよく焼けている。
いやいや、ここは「よく焦げている」と言った方がいいんでしょうネ。焦げた香りが食べる前からもうおいしい。断面見るとパンにバターが染み込んでいてウットリします。

分厚いパンに対してハムは薄切り一枚、レタスも一枚。なのに食べるとハムとレタスの味や歯ざわりをしっかり感じる。それが不思議でしょうがない。
噛むとカサッと焦げたトーストが前歯をくすぐり、それに続いてバターがジュワーッと広がり、唇濡らしてひんやりさせる。
今日は芥子がしっかりきいてた。ツーンっと辛みが鼻から抜けて、あとに残るのはバターの甘み。おいしいなぁ…、ちょっと酸っぱいコーヒーと相性もよくお腹ニッコリ。

24の前奏曲の3番、ヴィヴァーチェが流れてきました。音がコロコロせわしなく転がるパッセージも、うるさく感じないのがショパンの音の不思議なところ。

財布を探すと五円玉混じりで750円がちょうど見つかる。ご縁が続きますように!


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