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焼いたハムを手づかみする楽しさ…、銀座ウエストのハムトースト

キラキラが足りてないなぁ…、って起きて思った。
毎年この時期になると気圧の変化の激しさに、気持ちが安定しないのだけど今年も今年もちょっと胸が重たい。
映画を観ても音楽を聴いても泣いてばかりでココロが晴れない。
暗い気持ちには暗い考えが取り憑いてろくなことはない。そんなときにはキラキラした場所、キラキラしたものでココロを晴らしてやろうとそれで「銀座ウエスト」にやってくる。

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眩しいほどに真っ白なテーブルクロス。モケット織りの背当ての布も白くてパリッと糊がかかってる。冷たい水で表面に細かな霜がふったグラスにはロゴの箔押し天使が待ってる。
お店のすみずみ、テーブルの端から端までキラキラしていてこれで晴れない闇はなし。今日の音楽はハープシコードが奏でるバッハのイタリア協奏曲。キラキラです。

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ハムトーストを選んでお供にアイスコーヒー。

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うやうやしくもお皿を下に従えたグラスにマドラー。ステンレスのピッチャーにガムシロップとクリームがたっぷり注がれやってくる。磨き込まれて細かな傷が無数に入って鈍く光る銀の器の手触りなめらか。

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乳脂肪分のおおいクリームを注ぐと氷にのっかって、しばらくずっとそこにとどまりゆっくり白いマーブル模様を描いてく。そのさま優雅でしばらくぼんやり見惚れちゃう。
入念に時間をかけて仕上がってくるハムトースト。まもなく出来上がりますのでとペッパーミルと分厚い紙ナプキンが運ばれて、まもなく完成。やってくる。

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こんがりやかれたトーストブレッド。
間にグリルドハムが挟まれて、その断面のゴージャスなこと。
ここのメニューにはハムサンドイッチも用意されてる。
ハムとレタスとマヨネーズベースのスプレッド。

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ハムトーストに比べて若干厚めの食パン。トーストしてとリクエストすることもできるから、ほぼハムトーストのようにしてもらえる。
けれどそれはパンとハムのバランス良さを味わう料理。ところがこれはパンは薄くてハムもグリルされている。
だから、焼いたハムを手づかみで食べてるみたいな感じが独特。

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調味料はほとんど使わずハムの持ち味だけで十分味が整う。何しろハムが上等で、焼けて溶け出した脂がひんやり唇濡らす。カサカサとしたトーストが脂を拭ってこうばしい。

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レモンが一片。スクイーザーに挟まれてやってくる。
ピカピカに磨き上げられたスクイーザーでレモンを搾ってポタリポタリとレモンジュースをハムトーストに染み込み、酸味と香りがサンドイッチをおいしくさせる。
そのレモン。皮の表面の黄色いところを丁寧に剥がしてて、嫌な苦味や油が味を邪魔することを防いでる。心遣いがオゴチソウ。

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ハムトーストを平らげてアイスコーヒーをおかわりすると、テーブルの上が整え直され新たなグラスでやってくるのにウットリします。気持ちの雲もほんのちょっとだけ晴れた気がする。こういう場所があってくれることがステキと笑います。


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