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プリンの思い出

オールシーズンズコーヒーにくる。

新宿二丁目の夜のメインストリート、仲通りの入り口近くにある店で、いつもにぎわい待ちの行列ができてることも多い店。
入り口脇にはコーヒー豆の焙煎器。
コーヒー好きの若い人たちがいろんなローストの仕方を試して今日の一杯を決める様子が、コーヒー同好会みたいなムードでたのしいお店。
焙煎工場のテイスティングコーナーみたいな感じもおそらく今のはやりにあってるんでしょう。
家の近所の四谷三丁目にも支店があった。
そこには焙煎器はおかれておらず、居心地のよいカフェのような造りがとても好きだった。
けれど居心地が良すぎたからか、あるいはビルの二階というロケーションが良くなかったのか撤退しちゃった。

なくなってしまったお店の中でもひときわ寂しくなつかしいのがそのお店。
今でもお店があった場所を通るたび、ビルの2階を見上げてしまう。
重たい体を揺すって手すりづたいに階段上がって食べたのがここのプリン。
ひさしぶりにたのんで食べた。

どっしり重たい焼きプリン。
コーヒーソーサーサイズの皿にあふれるほどのカラメルソースを従えやってくるのが特徴的。

ホイップクリームがポッテリ、上にさくらんぼ。軸が埋まってしまうほどホイップクリームはふっくらやわらか。カラメルソースをこぼさぬようにスプーンでそっとすくいとろうとするもムチュンとプリンが張り付き、なかなかキレイに持ち上がらない。

それほどずっしり、濃厚プリン。玉子の香りにバニラの風味。容赦ないほど甘くてしかもカラメルソースが甘くて苦い。砂糖をたっぷり混ぜたエスプレッソみたいな苦味と酸味がプリンの甘みと一緒になって、口の温度が上っていくように感じるところがオキニイリ。

鈴新や尾張屋でカツ丼を食べたあとになぜだか食べたくなっちゃうことが多くって、「カロリーなんて気にしていたら生きてけないよね」って笑いながら食べていた。

エスプレッソトニックも甘くて苦くて酸っぱくて、小さな泡がシュワッと喉を洗う感じがオキニイリ。
「エスプレッソトニックがおいしい季節になりましたネ」ってお店の人のひと言にニッコリします。ぼんやりしたら散歩しながら帰りましょ。


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