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銀座ウエスト、ハムのトーストサンドイッチ

銀座ウエストが恋しくて、やってきてみる。

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今日は不思議なほどにお店は静か。奥のちょっと個室っぽくなったエリアに2組ほど先客はあり、大きなメインホールはボクがひとりじめ。
お好きな席におすわりください…、と言われて4人がけのテーブルにつく。
お店の中を見渡すと、ボク以外はみんな女性でなにやらちょっと肩身が狭く感じるほど。
可憐な花が咲く花園に紛れ込んだ小動物とは、こんな気持ちがするんだろうかと思ったりする。

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スピーカーから流れる音はシューマンのピアノ協奏曲の第1楽章。流麗で壮大なピアノのカデンツァに続いて哀愁を帯びたオーボエのメロディーにウットリしながら、まずやってきたアイスコーヒーで頭を目覚ます。グラスを叩く氷の音もあったかい。

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いつものようにソファの背当ての布は白くてパリッと糊がきいていて、テーブルクロスも白くてピンッと伸びている。ミルクやシロップが入ったピッチャーはピカピカ輝き、アイスコーヒーを入れたグラスに金箔の天使が舞ってキラッと光る。ウットリしながら背筋が思わずシュッと伸びます。

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それにしてもお店のスタッフのうやうやしきさま。お客様から呼びとめられてもしゃがむことなど決してなく、上体を倒してお客様の声にしっかり耳をかたむけ要望を聞く。丁寧で謙虚だけれど誇りに満ちた姿勢がステキ。またウットリ。

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アイスコーヒーのお供はハムのトーストサンド。
しばらく待ってやってくる。
これとは別に、ハムのサンドイッチをトーストで作ってもらうこともできる。

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けれどこれはあくまでハムが主役の料理です。
厚めに切った白ハムをたっぷり3枚。
キレイに積み重ねた上、薄切りのパンのトーストで挟んで4つに切り分ける。ハムとトースト以外には薄めに塗ったマスタードだけ。ハムは軽くソテして肉や脂の風味を引き出し仕上げてる。
つまりハムの味わい、おいしさをひたすら味わうための料理でざっくり歯切れてハムの繊維がばっさり口の中でほどける様子がおいしい。

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付けにと添えられているレモンの皮はキレイに削がれ苦味が酸味を邪魔せぬ工夫。すべてにおいてうやうやしい。

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パンは強めに焼いてもらった。だから表面こんがり焼けてパンがもってた水分が蒸発しながらさっくり、軽く焼き上がる。それがハムの肉々しさを引き出しなんとおいしいコト。
サンドイッチとしておいしいばかりか、ハムの料理としてもこれほどおいしいモノってそれほど無いんじゃないかと思う。そんなおいしさ。じっくり味わいたのしむも、あっという間にお腹の中におさまり消えてしまうゴチソウ。お名残惜しや。

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アイスコーヒーはおかわり自由。一杯目はブラックで苦味、酸味をたのしんでおかわりをした二杯目はミルクをたっぷり浮かべて味わう。乳脂肪分の多いミルクは氷の上にのっかってコーヒーの味をなめらかにする。朝の贅沢、堪能しました。オキニイリ。


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