ファーストクラス的にたのしむ
エコノミークラスの旅はプレタポルテの旅です。
エアラインが決めたルールに合わせることを余儀なくされる。
ビジネスクラスはスミズーラ。
あらかじめ用意されたパターンの中から好みを選び、わがままをほんのちょっとだけ聞いてもらえる。
ファーストクラスはカスタムメイドのあつらえ服のような旅。
すべてのものが「ボクのため」にあつらえられる。
サービスの良さにはいろんな種類があるけれど「あつらえもののサービス」はやはり格別。
フルフラットになるシートであるとかプライバシーが確保できるシートの配置であるとか、ハードウェアとしてのファーストクラスとビジネスクラスの差はかつてのように大きな差はなくなりはじめているけれど、サービスの差は縮まらない。
A地点からB地点をただ快適に「移動」するだけならビジネスクラスで十分でしょう。
けれど「旅」と「移動」は違います。
海外のセレブリティや裕福な事業家はプライベートジェットの旅を好むでしょう…、理由は「自分の思うような旅」をしたいとそう思うから。
プライベートジェットでの旅に限りなく近いのがファーストクラス。
ファーストクラスって高いだけだネ…、って言う人に「こんな旅にしたいってアテンダントにお願いした?」って聞くと、そんなことはアテンダントが聞くべきじゃない?って言う。
サービスは自動ドアじゃないんです。
叩かないとドアは開かない。
自分で簡単に開くことができるドアの先には心躍らすステキなものは待ってはいない。
自分一人の力では開けることができないドアの先にこそ魅惑的なる世界はあって、だからドアは叩くもの。
ステキなサービスを引き出すためのコミュニケーションはドアを叩くことからはじまる。
レストランにおいても同じこと。
このテーブル。
これから食事をする時間をファーストクラス的にするのもエコノミークラス的にするのもお店の人とどれだけ親密なコミュニケーションが取れたかどうかで決まるんですね。
自分の好みやしてほしいことを正しく伝えなくちゃいけない。
しかもそれをエレガントにさりげなく。
ボクはこうしてここにいる
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