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日本の朝を手軽においしく

和朝食を食べたくってしょうがない。
朝食を提要してくれるお店はそのほとんどが喫茶店とかカフェ、ファストフード。
どこも主食はパンが基本。
お米ご飯を朝から食べることができるお店は少ない。
かつて大きなホテルに行けば和食堂で和朝食を食べることができたけど、今、ホテルの日本料理のお店はまだほぼ休業。やっていても朝から営業しているお店はまず見つからない。
山の上ホテルも朝食はルームサービスだけだし、帝国ホテルのなだ万も朝は休業。
そんなに手がかかった朝食でなくてもいいんです。ご飯に汁、焼き魚があればそれで十分。そうだ…、ならば代々木のおひつ膳田んぼに行けばいいんだと思って来てみた。

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営業時間が朝8時から。開店時間から10時までの2時間は「田んぼの朝ごはん」っていうのがある。おだやかな空気感が売りのこの店にしては珍しく「ニッポンの朝めしを極める」ってなかなかに力強いメッセージ。

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おひつにおさめられたご飯に味噌汁。焼いた鮭に漬物、卵焼き。刻んだ海苔でひと揃え。せっかくだから5種類ほどある朝のサイドメニューの中から納豆と南高梅の梅干しを追加しました。
おひつご飯は一回だけだけどおかわりできる。昆布と鰹節でしっかり出汁をとった味噌汁。漬物のタクワンは無添加と食材自体にしっかりとしたこだわりがあり、なにより気に入ったのが「皮ぱりぱりの焼き鮭」というフレーズ。

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焼いた魚の皮はパリパリでなくちゃネ…、って感心しながら料理を待った。
ちょっと待ちます。おそらく鮭の皮をパリパリになるまでじっくり時間をかけて焼いているのでしょうネ…、10分ほどかかってお膳が到着します。朝の香りのおいしいこと!

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おひつの中にはご飯がふっくら。
量にしてお茶碗軽く2配分ほどでしょうか…。
蓋をあけるとおいしいご飯の香りが蒸気と一緒にフワッと湧いて鼻をくすぐる。
おひつに収められることで、ご飯が吐き出す蒸気が吸い取られパラッとかために仕上がっていく。
口の中でパラリとほぐれて、噛みごたえあるボクの好みのご飯になるのがうれしくて、おかずいらずのおゴチソウ。

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梅はぽってり。大きくなめらか。
甘さは自然ですっきりとした酸味がおいしい。
種もしゃぶってお茶を飲み、口の中に梅干しの旨味と香りが広がってくのをしみじみたのしむ。
納豆に海苔。醤油をほんのちょっとだけ。軽くグルンとかきまぜてホツホツコロコロねっとりと変幻自在の食感味わう。タクワンと麹漬けの大根をパリパリポリポリ。日本の朝だ…、ありがたい。

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さて、鮭の皮。確かにパリパリ。鮭そのものも塩を強めに打たれた昔なつかし系の焼き鮭で、ご飯がすすむ。
ずっと鮭の皮を食べることができなくて、焼き鮭をたのむと皮はみんなタナカくんに食べてもらってた。そのうちボクが食べる前に皮を彼が剥ぎ、自分のお皿に移して食べてたくらいに皮はずっと彼のモノ。こんなにおいしいものを食べられないのって、不幸だねぇ…、って言ってた味はこの味だったの?

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噛むとジュワッと脂と旨味が広がって、ご飯と一緒になってなんとも香ばしい。おいしかったよ…、って言って味わう。
味噌汁もしみじみおいしくお腹も一杯。日本の朝が恋しくなったらまた来よう。


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