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せいろにうなぎ、ホースラディッシュ

おいしい蕎麦を食べようと、大庵にくる。
夜の時短要請のため、代わりに開店時間が30分ほど前倒し。定休日もなくして昼ごはんには使いやすくなった。
酒の提供をやめたため、魅力的な一品料理のメニューが一切なくなったのはかなり残念。しょうがない。
せっかくだからこの店ならではのものを食べようと「鰻せいろ」を選んでたのむ。

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せいろ一人前に鰻の白焼きがセットになっているというもの。
蕎麦には油や脂があうもので、例えば天ぷらの揚げ油。鴨南蛮の鴨の脂を味方につける料理は、ずっと昔からそば屋の定番。

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肉そばなんていうのもあるし、なのに日本料理で「脂を味わう食材」の代表格といってもいい鰻を使った蕎麦は珍しい。合わないことはないはずなのに、ボクが知ってる限りではここの「鰻せいろ」は唯一無二のオゴチソウ。

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分厚い鰻の白焼きはキレイな脂が浮かび上がってツヤツヤ光って食欲さそう。
鰻をひと口。そして蕎麦をスルンとたぐると不思議なほどに鰻の香りが強烈になる。雨上がりの芝生の匂い…、とでもいいますか。ちょっと土っぽくってむせるような緑の香り。

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この商品に限ってせいろのタレが甘口。その甘口のタレの味わい、風味のせいで最初は白焼きだった鰻が口の中で徐々に蒲焼き味になっていくのがオモシロイ。
白焼きにはホースラディッシュがついてくる。すっきりとした香りに突き抜けるような鋭い辛みが鰻の脂をさっぱりさせてくれるだけじゃなく、蕎麦と一緒に食べると蕎麦の香りも際立つ。わさびとネギを落としたタレに蕎麦湯を注いでゴクリとのんで、お腹と気持ちをあっためる。


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