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飲茶はオーダーバイキングシステムにぴったりだよネ…。

新宿駅の南口にある小田急センチュリーサザンタワーっていうホテルの中に「シェロントウキョー」っていう中国料理のお店がある。
上等な広東料理が食べられることで有名で、特に香港式の点心のおいしいことには定評がある。
週末はその点心がオーダーし放題。
テーブルの上には写真入りのメニューと、食べたいものの個数を書いて手渡す注文表がおかれてる。深いスリットが脇に入ったチャイナドレスのサービススタッフも香港気分を盛り上げます。

飲茶とオーダーバイキングの相性はいい。料理ひとつは一口大。それをたくさん種類を食べるというのが醍醐味。いちいち値段を気にしていてはたのしみも半減。だからいくら食べても気にならない値段をつけるか、定額制にするかが飲茶をたのしんでもらうコツじゃないかと思うのですネ。

ただ点心料理は時間がかかる。特に蒸し物は皮を伸ばして餡をくるんでそれから蒸してと、20分とか30分もかかってしまうものがほとんど。だから時間をかけず提供できる料理とのバランスよい献立作りが必要になる。
20種類ほどの冷菜や料理がここでは揃ってて、点心類も含めてあれやこれやと無造作に注文するとそれらが先にやってくる。
白菜の酢漬けに千切りにしたわかめを山椒味のタレに漬け込んだサラダ仕立て。これがどちらもおいしくてお腹の口がパカッと開く。香港式の叉焼に梅ダレをかけて味わう一品、酸っぱい酢豚とお腹をすかす料理が続く。

中でも感心したのが「椒塩排骨」という料理で、脂ののった豚バラ肉を揚げて香り野菜や塩、山椒と一緒に炒める。
お皿がやってきた途端に、五香粉や八角などのチャイナスパイスの香りが広がる。
チャイナタウンの匂いです。
ポンッと一口。
サクッと歯切れて、奥歯を沈める歯ごたえと一緒にジュワッと肉汁にじむ。豚の旨味をこころおきなくたのしめる。
辛味よりも旨味が特徴の麻婆豆腐に、チャイナタウン味の炒飯と続いたところで点心到着。

大根餅に海老蒸し餃子。
カニの玉子を彩りにしたむっちりとした肉の歯ごたえたのしいシュウマイ。フカヒレ餃子もたくましい。
海鮮の餡を湯葉でくるんでバリッと揚げてオイスターソースをかけて蒸し上げた湯葉巻きは、スベスベねっとりむっちり。中国の人の美味に対する執着心を感じる一品。
ニラとエビのあんを米粉の生地でくるんで揚げた饅頭。むっちり軽く粘る生地とブリンとはぜるような海鮮餡の相性がよくておいしいったらありゃしない。
エビ餡をノリで巻いて揚げたもの。もち粉の生地で甘く仕上げた野菜のあんをくるんだ揚げ餅。小籠包と次々食べて、お腹が徐々に満ちてくる。これだけ食べても用意されてた料理の半分も食べられていないというのに、小さな敗北感を味わった(笑)。

〆に担々麺。当店自慢というので食べてみたのだけれど、たしかにおいしい。
表面ポッテリ。胡麻とスープがよく混ざり合い泡のようになってスープの上に浮かんで漂っている。青菜の緑とスープ自体のオレンジ色がきれいで鮮やか。麺は細い自家製らしくバッサリ歯切れる食感と、口の中で散らかる感じがスープの中でも持続する。
辛い。けれど辛すぎずスープの旨味がしっかりしていてたっぷり混ざった挽肉やカシューナッツの砕け感がたのしく麺が終わってもずっとスープを飲んでいた。
マンゴープリンにタピオカココナツ、カスタードタルトと食事の〆もつつがなく、腹を揺すって店をでた。


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