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春の土用のうな丼に蕎麦

そう言えば今日は「春の土用の丑」の日。鰻が大好物だったタナカくんの命日が土用の丑の日というのはおいしい偶然。
二度目の昼ごはんになっちゃうけれど、今日は食べて供養する日にしようとそれで「大庵」に来る。

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蕎麦専門店というよりも、蕎麦のおいしい日本料理のお店というのがふさわしい店。蕎麦以外の料理も多彩でしっかりしてる。
ここ一年ほどうな丼と半そばのセットが人気。それが目当ての今日の大庵。
昼に一番気持ちのいい席は、通りに面してしつらえられたカウンター席。奥行きがたっぷりあって椅子も座り心地がよくてゆったり配置されている。ひとりで来てもさみしくないのがありがたい。

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まずはお野菜。わさび菜のおひたしをとる。ガラスの鉢に茹でたわさび菜。冷たい出汁を注いで上に鰹節の糸がきふわり。シャキシャキとした歯ざわりさわやか、軽い辛味と緑の香りにお腹が動く。

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ひさしぶりにだし巻き卵を注文しました。出汁を思う存分飲み込んでしっとりふっくら仕上がる玉子。箸を当てるとほどよき弾力。切るとじゅわりと出汁が染み出す。舌にのせるとすでに出汁で舌は潤い、噛むと舌が溺れるよう。
おいしいなぁ…、こんなふうには作れないなぁとプロの仕事にウットリします。

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メインに選んだのはうな丼の「小」と半そばのセット。うな丼の器が口の広い蓋付きの朱塗りのお椀にかわりました。半そばはせいろで肝吸いついてひと揃え。

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炭箱に入って温められた焼海苔たのんでテーブルの上をにぎやかす。

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食べやすいようにうな丼と汁を手前に移し、蓋をあけるとこんがり焼かれたうなぎ半尾分。
尻尾の方で尻尾近くが焦げてザクザク仕上がってるのがオキニイリ。
ご飯にタレがまぶされて香りがおいしい。
口が広い塗りの器にご飯をうっすら。

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鰻が冷めぬようにとご飯は熱々。鰻がのっていない部分が多くて、蒲焼きの横にだし巻き卵を添わせて鰻玉丼と洒落てみる。
香ばしく脂ののった鰻も旨いが、鰻のタレや脂をまとっただし巻き卵のおいしいコト。

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味付け海苔で育ったから焼海苔は物足りないって若い頃は思ってた。ところが歳を重ねるにしたがって上等な焼き海苔のおいしさにすっかり開眼。ここの海苔は広島の三國屋さんの海苔で香り豊かでパリッと壊れてゆっくりとろける食感もよい。

海苔を手でもみせいろのそばの上にちらして海苔かけにしてスルンと味わう。甘めひかえめのスッキリとしたそばツユに香りと風味のアクセントが付く。

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そばに用意されているわさびとネギ、もんだ焼海苔を鰻にのせる。一緒に食べると口の中でひつまぶし味になっていく。ネギのシャキシャキみずみずしさに海苔の風味にわさびの香り。今日はうな丼、鰻玉丼にひつまぶしまで食べられた。なんとお得なこの組み合わせ。肝吸いの肝も立派な太った肝でした。

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海苔の風味で育ったそばつゆに蕎麦湯を注いでコクリと飲んで〆にした。さすがにお腹はポンポコリンで、なのに気持ちは満たされぬ…。


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