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駅そば好きが最後に辿り着く伝説の音威子府そば

家の近所にちょっと変わったそば屋が出来た。
北海道で一番小さいと言われる音威子府村に伝わる「音威子府そば」の店。店の名前も「音威子府TOKYO」で、場所は車力門通り、読み方はオトイネップ。

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生花店の先の小さな入り口から中に入ると鰻の寝床で、カウンターには6席ほど。小さな小上がり、そして厨房。
カウンターには音威子府村の地図がテーブルマットの代わりに置かれてる。

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開業してまだ3週間足らずの店。
大々的に告知しているわけでなく、けれどぽつりぽつりとお客様がやってくる。そば好きさんとか、中には音威子府の研究所にしばらくいたことがあるんです…、っていいう人もいて不思議なニギワイ。

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音威子府の蕎麦だけでなく更科そばもメニューにある。けれどみんなの目当ては音威子府そば。

天ぷらや炊き込みご飯がセットになった定食にした。
茹であげるのに時間がかかる麺で、それまでを蕎麦前めいた料理でたのしむ。ちなみに夜は蕎麦を〆にした居酒屋になるんだという。まず漬物とそば味噌。プチプチそばの実が奥歯のところで爆ぜる感じが心地よい。

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きのこと鶏肉の炊き込みご飯がやってきて、お替り自由というのにニッコリ。出汁がおいしいからでしょう…、ふっくらやさしい味わい。炊き込みご飯がおいしいそば屋のタレや汁は旨いんだよなぁって思ってにんまり。

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続いて天ぷら。さっくりとした衣を多めにまとったエビの天ぷらと、クシュッと潰れてポッテリなめらかな茄子の天ぷら。塩でどうぞ…、と焼き塩がつく。蕎麦の約みがあれこれ揃い、そして蕎麦がやってくる。

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蕎麦が出来上がるまでぜひこれを…、と音威子府の村の話や蕎麦の所以をまとめた紙を渡される。
4枚ほどの力作。
目をひいたのが「駅そば好きが最後にたどり着く伝説の蕎麦」というフレーズ。期待が膨らむ。

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して、その蕎麦は墨色の麺。
殻のついた蕎麦をそのまま製粉して作った挽きぐるみ。
蕎麦の香りが強烈です。
しかも歯ごたえ鮮烈で、ゴリゴリを通りこして「パリパリ」してさえ感じる独特。
そばの食感を表現するのにパリパリというオノマトペを使うのってどうかと思うのだけれど、でもパリパリ。硬くてスベスベ。しかも噛み続けると蕎麦らしい旨味や粘りがでてくるようでもあってなんとも言えぬおいしさ。

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熱い汁で食べたらどうなるんだろう…、と思って熱いたぬきそばももらった。

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甘めで旨味が強い汁。天かす、生のり、ほうれん草に分厚いかまぼこと具材多彩でたっぷりのっかる。蕎麦の硬い食感はそのままだけど、熱い汁に使った分だけ、ちょっとやわらか。蕎麦の香りも力強くてズルズルスルスル、ゴリゴリねっとりとたくましい味。
見た目、味わいどちらをとっても冷たいせいろで食べるより、熱い汁そばで食べたほうが駅そば感も際立って、ボクはこっちの方が好き。
それにしても日本全国、蕎麦の文化は多彩で多様。豊かだなぁ…、と食べた気持ちも豊かになります。オキニイリ。


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