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仙台の牛たんを東京で食べる贅沢…

仙台の牛たん。
昔は仙台にいかなくちゃ食べることができないゴチソウでした。
ボクの学生時代には東京にもぽつぽつ、仙台牛たんを売り物にした店ができたけど、やっぱり仙台で食べる牛たんは格別で、食べたいなぁ…、と思うと新幹線に乗って仙台詣でをしていたものです。

最近では、その仙台から東京に店を出す店が増えて気軽に食べられる。
例えば利久。
東京駅の地下コンコースに面して一軒。
小さな小さな店を出してて、朝から夜まで通し営業。
何しろランチ以降はずっと行列ができて消えない人気の店です。
ところが朝食営業をやっていて、朝の時間には待たずに座れる。
朝ごはん用の気軽なメニューが揃っている、通常メニューのどれでも注文できるところがありがたい。

極み牛タンを3枚6切れで注文をする。
少々時間を頂戴しますがといつも言われる。
覚悟の上です、充分時間に余裕を持ってやってきました…、と答えてニッコリ、作ってもらう。

気軽に焼いて…、と食べる方はたのむけど考えてみればお店にとっては大変なコト。
だって焼ける技術を持った人がいなくちゃ焼けない。
炭もおこしておかなきゃいけない。焼きましょうか…、とスイッチ押せばすぐスタンバイということにはならないわけです。
どちらもコストのかかること。コストや手間を恐れずに、買って欲しいものをいつでも作れる状態にしておく努力。いいな!と思う。

しばらく待ってやってきたこれ。
ココはトレーで持ってくるけどトレーのままおいていかない。料理をひとつひとつ並べて食卓景色を作ってくれる。これこそ「配膳」。この一手間が好きだったりする。
テールスープに麦飯、追加でたのんだ出汁とろろがつきこれで朝のひと揃え。

タンは分厚く、うつくしい。
炎で焼かれてめくれ上がって仕上がる切り目。
表面、自分の脂で揚がるように焼けてて小さな穴が無数に焼けている。断面は肉感的なるロゼ色で、肉汁滲んでツヤツヤしている。
一味唐辛子をお皿の上にたっぷりちらし、それをたっぷりつけて味わう。

ザクッと歯切れる。
肉汁じゅわり。
噛むとネットリ、とろけながらもずっと口に居座り旨味を吐き出していく。
断面が真っ赤になるほどたっぷりの一味唐辛子をつけたはずなのに、辛くないほど旨味が強い。赤唐辛子の辛さが旨味で甘みに変わる。オモシロイ。

白菜の塩漬け、それから南蛮味噌。ちなみにずっと仙台式の青唐辛子に南蛮味噌を使っていたのに今日は「青森南蛮味噌」なんだという。ビリビリ辛い福神漬けのような食べ物。パリパリポリポリ、耳の奥がくすぐったくなる歯ざわりがいい。新食感。

透き通っているのに味わい濃厚で風味豊かなテールスープ。これがおいしいということは、鍋の中の状態をいつも気遣う注意深さを現場が保っているかの証。
今朝の状態は見事であります。これが一日、続きますよう… って思ってゴクリ。中にゴロゴロ沈んだテールはホロっと肉が骨から外れてハラリと崩れる。たっぷり浮かんだネギはシャキシャキ、甘くとろけるオゴチソウ。
出汁の入ったとろろを追加でもらってかける。麦ご飯の上にたっぷり。それをずるずるかきこみ食べる。焼いた牛タンをパクリと食べて、口の中が味の洪水になるのをたのしむ。朝ご飯。

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