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サービスとホテル①ホテルへのワクワク

東京は高級ホテルの開業ラッシュ。
かつて日本で高級ホテルといえば一泊の室料が5万円前後。
スイートルームでも10万円から20万円というのが相場だったのが、最近開業する高級ホテルは、それらを遥かに超える値段設定。

例えば東京駅前のブルガリホテルは、一泊25万円から。
全室ほぼスイート扱いという高級ホテルの草分けの、パークハイアットはしばらく営業停止して、より高級化をはかるリニューアルに着手する。
より広く。
よりデラックスにと施設のグレードアップははてしホなく、けれど施設が良ければ高級かというと決してそんなことはない。

高価であることと高級であることは違うんです。
部屋が豪華だから高級なのか。
眺望がいいから高級なのか。
施設が充実しているから高級なのかというとボクは決してそんなことはないと思ってる。

ホテルは客室を提供してその対価をいただく商売ではなく、サービスを提供することでお代を頂戴する商売。
でなければ「Airbnb」のような部屋貸し業となんらかわりがなくなっちゃう。
ただサービス業としてのホテルは今、本当に大変。

ホテルマンを目指す人が絶望的に少ないのです。
サービス業は「同じことの繰り返し」の中に新たな発見とお客さまのシアワセを感じとる感性がないと続かない。
働き方次第では退屈で疲れる仕事になってしまうからみんなができる仕事ではない。
同じサービス業でも飲食店の場合は、苦労の先に独立開業なんて夢を持つこともできるけれど、ホテルのオーナーになることはむつかしい。
小規模のオーベルジュなら開業することができるかもしれないけれど、そのとき必要なのはホテルマンの経験よりもシェフとして技量の方かもしれないし…。

沖縄や北海道でホテルが続々と作られてます。箱は次々できるんだけど、働いてくれる人が少なくて開業のめどが立たないところも多い。
それになにより「ホテルにサービスを求めない人」が多くなってきているという風潮もホテルマンという仕事を報われづらいものにしているのかもしれません。

レストランは食べ物をサービス付きで売る仕事です。
ホテルはサービス付きの部屋を売るもの。
食べ物は日々作り続けられるものだけれど、部屋は一度作ってしまえばメンテナンスし続けるだけ。
日々、作り続けることができるのはサービスだけなんです。
ホテルにおけるサービスは、レストランの料理とサービスを合わせただけの価値がある…、ってボクは思う。

本当のホテルマンの本当のサービスってすばらしいもの。
知らずにすますのはあまりに勿体無いのです。


サービスの極意

サービスはするものではなく、させてもらうもの。

ボクはサービスに関する勉強会をするにあたって、まず最初にこう宣言することにしています。

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