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上野の洋食、肉を味わうガンジーカレー

おいしい洋食を食べたくってひさしぶりの「遠山」。

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上野駅のすぐ裏っかわ。上野の森に向かう坂道の一番下の入口部分に控える外食ビルの2階にある店。
端正な顔つきのお店です。
駅を向いた大きな窓が外の光を取り込んで、お店の奥まで明るく照らす。
奥とはいってもそちらが実は入り口で、入り口脇には厨房がある。Lの字型に設えられたオープンキッチン。その手前には作業用のカウンターがありグラスやお皿、カトラリーにコンディメントが入った容器が置かれてる。
隠すものがなにもない場所。

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仕事のすべてを隠す必要がないからこその潔さ。
ゆったりとしたテーブルに座り心地のよい椅子が十分な間隔をもって置かれた居心地のよい空間で、洗浄スペースや冷蔵庫なんかは木製の壁や囲いの中にありハードで冷たい要素がしっかり隠されてるのも、落ち着く理由の一つなんでしょう。感心します。

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サラダとスープがまずやってくる。
木のお皿の上にこんもり葉っぱ野菜が盛り付けられててクリームドレッシングがかかってる。サイドにトマトとゆで卵。葉っぱの下には何があるんだろう…、と野菜をどかして見てみると茹でたマカロニのマヨネーズ和えがキレイに並んで置かれてる。

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野菜を盛り付ける前に並べておいたのでしょう。こういう遊び心がたまらない。

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スープはコンソメロワイヤル。溶いた卵をプリン状に蒸し上げて上にコンソメスープを流した洋風茶碗蒸しみたいなスープ。スープの浮身にタピオカが浮かんでいるのが粋なとこ。なめらかな卵と一緒にどっしりとしたスープのコクが口の中へと広がっていく。コンソメの酸味が後味スッキリさせるおゴチソウ。

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お腹が十分あったまったとこでメインが到着。
ガンジーカレーというここの名物。
ビーフ、チキン、シーフードと具材が3種類用意されててビーフを選ぶ。
それからトッピングでポークカツレツ。ご飯は控えめでってお願いをしたボク仕様。サフランライスの輝くような黄色が食欲さそってくれる。

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どうぞと置かれたお皿のメインはポークカツレツ。カツカレーのような様。ところがお皿をグルンと回して裏側をみると、どっしりとした牛肉がゴロンと転がりビーフカレーの風情をおいしく漂わす。
カレー自体に具材はほとんど残っていない。野菜や肉はすっかりカレーに溶け込み、サラッとサフランライスを濡らす。ひとくちカレーをスプーンですくってなめると口に広がる旨味の世界にウットリとなる。

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洋食店でカレーをたのむことはほとんどないのです。なんだか損したような気持ちになって、他のモノを選ぶのだけどここのカレーはカレーというよりソースをたっぷりまとった料理…、って感じがする。肉の旨味や野菜の風味を煮出してとった料理の基本のブイヨンを、スパイシーにして食べているって感じさえする。おゴチソウ。

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ポークカツレツも上等です。筋をキレイにとりのぞき熟成させた肉はサクッと歯切れて肉汁じゅわり。スプーンで切れるほどにやわらか。にもかかわらずザクッと繊維の食感健在。細かなパン粉がカリカリパラパラ散らかる感じも心地よい。
食べてるうちに衣がカレーを吸い込んでやわらかになり、とろけていくのもおいしくてあっという間にお皿は空っぽ。満ち足りる。


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