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ティラミスと泡。思い出のベトナム料理

友人と待ち合わせでセガフレードザネッティ。

ティラミスとマキアートをたのんでオキニイリの席につく。ふっくらとしたミルクの泡が盛り上がる、表面張力うつくしきマキアート。
拍子木状に切り分けられた、几帳面にすら見えるティラミス。

どちらも好きなオキニイリ。
まずはティラミス。
土台のスポンジは薄くてしかもエスプレッソシロップをたっぷり吸い込みしっとり濡れてる。

舌に乗せるとひんやりとろけ、たちまちフィリングだけになってく。
儚い土台と真逆に硬めでしっかりしているマスカルポーネ。
フォークをあてるとスパッと切れて崩れずストンとお皿に倒れる。その断面は潔く、スプーンにのせると重い。それは当然、舌の上でもずっしり重たく、それが徐々に崩れる様子が肉感的で味わい深い。

上を覆ったココアパウダーが口を一瞬、乾かす感じもおもしろく、舌は生地を感じてしっとり、なのに上顎は乾いた感じというのが不思議でオモシロイ。
そしておいしい。甘すぎず、苦すぎず、柔らかすぎず、硬すぎず。
マキアートの泡をスプーンですくって乗て口に運ぶとミルクの泡が上顎撫でてココアパウダーと混じってとろける。一層口がクリーミーになっていくのがオゴチソウ。

そもそもマキアートがおいしいのです。エスプレッソの苦味、酸味がミルクの甘みや旨みで膨らみ飲み終えるまで泡が消えずに残ってくれる。

ティラミスを食べおえたお皿に残ったココアの粉を泡にのっけてすくって食べる。ココアとコーヒー、ミルクの風味が混じり合い泡と一緒に消えていく。なんと儚いオゴチソウ。


ひさしぶりにティンフックで夜。

最近テイクアウトばかりしてたから、今日はお店でのんびりする。
昼は忙しいようだけど夜は静かで、おかあさんをひとりじめ。
おしゃべりしながら食べるとひとりで家で食べるよりずっとおいしい。
タナカくんとふたりでよく来ていたお店。

ボクがいないときにはここでお弁当を作ってもらってテイクアウトしてよく食べてたみたい。ベトナム風の鳥の炒め物が好きだったようで、スープの代わりに鳥カレーをサービスしてもらっていたって言っていた。
今でもくると目の前に座っているような気がして、逝ったばかりの頃にはそれが辛くてなかなか足が向かなかった。今では一緒に食べてるような気持ちにやっとなってきた。
ひとりなんだと思うと生活がどんどん雑になっていくけど、どこかで今でもボクのことを見てくれているんだと思うと気持ちにハリが出るし生活が丁寧になる。そういう気持ちを大切にしようと最近、しみじみ思う。

たのんだのは大好きだった鳥カレー。それから春巻きそうめん。まず春巻きそうめんがやってくる。

ベトナムの細いお米の麺…、ブンをつかったサラダ仕立ての料理で、麺はツルツル。ただハリはなくってふかふかした噛みごたえが独特で、お酢とヌクマム、スイートチリで作ったタレがしっかり染み込む。
葉っぱ野菜にきゅうりにニンジン、揚げ春巻きがトッピング。熱々の揚げ春巻きをブンで巻いて食べるとツルツルのちザクザクって食感の変化がたのしい。今の季節においしいゴチソウ。

鳥カレーはスープ代わりでご飯なし。サラサラしていてトマトの酸味とやさしい辛味。食べ続けるとお腹がポカポカあったまる。思い出話をあれこれしながら、お腹いっぱい、また来ます。


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