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皮を剥いた裸のきゅうり

今朝の朝食。ホテルのバフェ。
日本料理が充実している、料理一つ一つが丁寧に整えられているよきバフェで、中でも感心したのがきゅうり。

緑の皮をキレイに剥いて、表面も断面もすべて同じ色をしている。
色が同じということは、食感も同じということで、皮がついたきゅうりは噛むとコリッと皮がまず歯切れる。
パキッと割れて、そこからシャクシャク歯切れていく。
歯切れながらもずっと皮の固いところがザクザクザクザク騒々しくて、その騒々しさこそが生のきゅうりの特徴でもあり、おいしいところ。

けれど皮をキレイにとると、パキッとしない。
コリッと歯ごたえすらもなく最初のひと噛み目からずっとシャクシャクシャクシャク。
みずみずしさが際立つのです。
緑の香りもやさしくて、なるほどきゅうりの青臭さは皮の匂いが撒き散らしてたんだと気づく。
そう言えばタイやベトナムの上等な料理に添えられるきゅうりはみんな皮なし。
スパイシーな料理の合間の口直しという役目を果たしながらも、料理自体の味を邪魔せぬ「食べる水」。

そう言えば、昔、祖母と何かの拍子に「かっぱ」の話になって、かっぱが出てきて、川に引きずり込もうとしたらきゅうりを投げればいいんだという。
きゅうりはかっぱの好物で、その好物に気を取られ助かるんだというのだけれど、きゅうりなんていつももってるわけじゃないから、どうしようもないじゃないかと子どもたちはいう。
そしたら、ばぁさま。
昔は夏に出かけるときに、きゅうりを縄で結わえて腰にくくってぶら下げたもの。
喉が乾いたらきゅうりをかじって乾きを癒したもんだよ…、と。
なるほどきゅうりは「運べる水」でもあったワケです。
一日暑くなるんだという今日に、ミネラルウォーターの代わりにこれを持って歩けたらステキだなぁ…、って思ったりした。朝のコト。

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