美松はなれでおむすびという完全料理を堪能す…。

画像1 池袋に「Teishoku美松」という定食屋さんがある。 ご飯がおいしい定食屋さん。 丁寧に作られたおかずもおいしくもう何十年も人気のお店。 その定食屋さんがあたらしく開業したのが「美松はなれ」。はなれという名前の通り一軒目から歩いて1分ほどの近所で、こちらはおむすび専門店。入り口脇におむすび売り場が作られていて厨房の前に小さなカウンター。イートインスペースって感じがたのしい。
画像2 テイクアウトコーナーにはひっきりなしにおむすびを買いに来る人がやってくる。それらはビニールの包みでくるまれた作り置き。 イートインでは作りたてのおむすびを20種類ほどの中から選んで小鉢、漬物、汁がつくおむすび定食っていうのがある。一品の料理も200種類もあるでしょうか。どれもシンプルな料理だけ。定食の店には天ぷらなどの手のこんだ料理もあるけど、ここはおむすびの店。 おむすびはおかずを必要としない完全料理。
画像3 ただ炊きたての御飯をおむすびにしないでそのまま食べる人もいて、そのため焼き魚が何種類か。そのほとんどが一夜干し。 サバの焼けるおいしい匂いをかぎながら料理を待つのもいい感じ。サバやホッケは単品で600円前後とちょっと値が張る。そこでめざし。手頃な値段で3尾というのがおむすびのお供にピッタリ。指でつまむとヒョイッと軽く、噛むとじんわり旨味がにじむ。
画像4 卵焼きは定食の店でもこの店でも人気の一品。卵2個。 醤油だけとか塩だけだとか。甘くしてとか自由に味つけを選ぶことができていつも甘辛味にしてもらう。 砂糖たっぷり、醤油をほんの少々足して表面こんがり焦げて仕上がる。砂糖を含んだ卵ってカスタードみたいなむっちりとろける。お弁当箱に詰めてどこかにいきたくなるようなオキニイリ。
画像5 それからしらす豆腐がやってきて、今日の注文がひと揃え。 絹ごし豆腐の上にネギとおかかを醤油であえた薬味をパラリ。しらすをのっけて出来上がりという本当に簡単な料理。しかもしらすもおかかもおむすびの具材になるもの。限られた食材を組み合わせることで料理ができる工夫がステキ。
画像6 2個のおむすびのひとつは焼いたたらこ。ご飯は白米。 もうひとつは雑穀米で梅とおかかをむすんでもらう。 空気をたっぷりふくませてふっくらむすんでいるのと、具材がたっぷりはいっているから持つと崩れる。こぼさぬように大きく口をあけてパクリと噛むと、口の中にご飯がちらかり、口が一気に騒々しくなる。テイクアウト用のおむすびはキチッとにぎられ手づかみできる。食べ方に合わせて作り分けをしているところがなんとも親切。
画像7 おむすびの断面をみるとどれほどたくさんの具材が入っているのか一目瞭然。特に焼いたたらこはパラパラ、米粒と米粒の間にはさまりご飯を崩す。たらこを食べてる…、って力強さにびっくりします。それも噛んでるうちにご飯と具材がまざりあい、味がほどよく馴染んでく。
画像8 汁の具材がまたたっぷり。にんじんにネギ、ほうれん草。薄切りにした里芋がスベスベトロンとお腹も満ちる。お客様の中には「汁半分」で注文するほど。 漬物も自家製。小鉢は野菜の煮物と外食産業的な店がおざなりにする部分がしっかりしている。 働いている人は女性だけ。それも家族のためにずっと料理を作り続けて来たんだろうなぁ…、って思わせるやさしい表情の女性ばかりでそういう人たちが作ったおむすびは味わい以上においしく感じる。
画像9 カウンターの目の前にギッシリ一杯並んだ器が、全部キレイに片付いてちゃちゃっと重ねて並べ直すと四角いお盆の上にきちっとおさまる。おごちそうさまとカウンターの上においてテーブルを拭いてキレイにしたくなる。 テイクアウト+イートイン。そこではたらく人のムードと人間味。これからの勝てるコンセプトのキーワードじゃないかと思う。

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