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ローカルブランドの未来を憂えう

博多駅で移動の途中に「因幡うどん」。

博多うどんの代表的なブランドで、それもいっとき絶えつつあった。
ボクらの周りでは今、食のローカルブランドは存続の危機にあってその多くが、今やってる人が引退したらブランド消滅…、という状況。
子供の頃に食べた思い出。
大人になったら腹いっぱい喰ってやろうと思ってがんばった気持ちなんかもその受け皿をなくしてしまう。地域の食の継続は、お店の継続以上の価値と意義がある。
でも「好き」であること。「思い出深いとなつかしむ」ことと「応援する」ことは似ているようで違ったもので、そのほとんどは時の流れの中で藻屑のように消えてく。

この店は一風堂のホールディング会社が応援スキームを作って存続。ときに応援が空回りすることもあい、最初はモタモタしていたけれど2ヶ月ほど前きてみたら見事な再スタートを切ってるように思えて再びやってきてみる。

肉ごぼ天のうどんをとって、お供にかしわおむすび一個。
悪くないなぁ…、と感心します。
いまだにいろいろ工夫し続けているのでしょう。
太くてなめらかなうどんは最初はぼそっとそっけない食感。それが汁を吸い込んでどんどんやわく表面すべすべ、なめらかになる。
肉感的な博多うどんにどくとくのずっとスルスルすすっていたくなる食感にウットリできる。
しかも汁はやはりおいしい。甘くて強い旨味。麺がたっぷりたぐりあげ口の中が潤う感じがおゴチソウ。テーブルの上には刻んだネギがたっぷりあって、席についたときにはネギの緑の香りがおいしくて、それがたちまちうどんが届くと出汁の香りに置きかわるのにまたウットリ。

甘辛の肉はほろほろ崩れるように煮込まれて、出汁を吸い込みやわらかになっていくのが面白く、それに輪をかけ円形のかき揚げ上に仕上がったここのごぼ天の衣がとろける。
出汁を吸い込みちょっとお箸でつついただけで、ほろほろ壊れて出汁をすいぽってりとしたピュレ状になっていくのがおもしろく、それがとろとろ麺に貼り付き口の中へとやってくるのがまたたまらない。
昔からいるおばちゃんたちと外国から来た若い女性スタッフたちが仲良く笑顔で元気で働くお店の様子をみていると、日本の食をささえていくのはもしかしたら海外の人。そういえば農業だとかもそんなムードになりはじめてる。不思議でなんだかなやましい。

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