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湯豆腐をおいしく食すにはどうすればいいのでしょう

40年ほど前のこと。
アメリカから日本の外食事情を見に来た視察団を京都に案内したことがありました。
正確には大阪から京都に入った彼らを案内するはずの人の都合がつかなくなって、急遽ボクが駆り出されたのネ。
どこで合流すればいいのか聞けば、湯豆腐で有名な店だという。

悪い予感しかしませんでした。
案の定、案内されて入った部屋の空気は凍りつくが如し。
みんなイライラしているのがひと目でわかる:
そしてこういう。
「前菜が終わってメインディッシュを待っているのだけれど、なかなか出てこないで困ってる」…、と。
しかもあんなに熱くて味のない食べ物を人はありがたがって食べるんだ、ともいう。

そりゃそうです。
ボクだって湯豆腐がメインになるなんて思わないから、申し訳なくてしょうがなく嘘をつきます。

ここはお庭を楽しんでいただくために準備した店で、これから場所を変えてメインをおたのしみいただきますと。
取引先の洋食店にたのみこんで神戸ビーフを食べてことなきを得た。

みんな本当に湯豆腐をおいしいと思って食べているんだろうか。
もしかしたらボクの湯豆腐の食べ方が間違っているんだろうかとそれからずっと試行錯誤を続けた結果、湯豆腐も食べ方次第でおいしくはなる。
メインディッシュになるわけじゃ決してないけど、捨てたもんじゃないって話を今日はしましょう。おすそ分け。


湯豆腐をおいしく食べるための四苦八苦

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