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旅の前のなだ万。梅餡の粥の和朝食

日曜日の朝。今日の午後から出張。月曜の朝早くからの仕事に備えて、事前に移動することにした。
まず「なだ万」で朝。

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帝国ホテルの地下一階にあるアーケードの中の一軒。新館と本館の地下をつなぐ通路の先にあり、この通路が地下アーケードの中でも一番きらびやか。
まばゆいほどのシャンデリアにいざなわれた先にシックな数寄屋造りの店がある…、というのも特別。
店に入ると週末の朝ということもあってでしょうか…、お店はにぎやか。国内旅行の人たちでしょうか。ご婦人方のグループや熟年夫婦。いろんな地方のお国言葉が飛び交う中で、さてご機嫌に朝ご飯。

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いつものようにお粥の定食。しばらくまって運ばれてくるお膳の上に並ぶ色とりどりで形さまざまな器のキレイにうっとりし、運んでくれた仲居さんの春色の着物にパチリと目をさます。

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木蓋のついた器にたっぷり入った白い粥。お粥のおかずが横にずらりと4種類。
飲み干してしまえるほどに出汁がおいしい菜っ葉のおひたし、大豆がほつほつ奥歯をたたく感じがたのしいひじきの煮付け。いぶりがっこに千切りにしたタクワンの大葉あえ。大根おろしに焼いたタラコとどれもお粥がおいしくたのしめそうな惣菜。中でもタラコの焼き加減が秀逸で、芯のしっとりした食感にうっとりします。

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ひと切れついてくるだし巻き卵が端の部分。表面カチッとしっかり仕上がり芯の部分のしっとりとしたやわらかを引き立てるようでちょっと独特。何につけても料理の端ってなんだかおいしい。得した感じ。

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蓋付きの鉢には煮物。
舞茸に刻んだイカを練り込んだ練り物。里芋、人参、分厚いしいたけ。いんげん豆が彩り添えてどれもそれぞれいい状態で煮込まれている。
鼈甲餡を最後に全体にかけまわし、とろみも艶々。ほっこりとした味と香りがおゴチソウ。

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大きな焼き鮭。
皮がバリバリになるまで焼かれて香ばしい。
ペロンと皮をまず剥がし、サクサク、奥歯で砕けて脂をじゅわり吐き出す感じをたのしむ。身はふっくらと焼き上げられてて骨も小骨もキレイに抜かれて食べやすい。
和朝食を出す店で、季節季節で焼く魚の種類を変える店がある。日本料理は季節の料理と考えるならそれが良いことなんだろうけど、こと朝食に関してはいつも同じの安心感が季節感よりありがたい。特に食べやすい鮭は朝のおかずの王様のよう。

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こってり味に煮込まれた昆布に青い焼いたししとう。鮭が枕にしていた手作りはんぺんが、フワッと口どけよいのにうっとり。朝の口にやさしくて良い。
ここのお粥についてくるのは鼈甲餡ではなく梅の餡。お粥にかけて食べる前にそのまま一口飲んで見る。

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酸っぱい。ブルッとお腹が震えるような酸味にしっかりとした出汁の旨味があとを引く。お粥にかけるとお米の甘みがひきたつようで、なによりお腹がスッキリするのが朝にうれしい。袋に入ったちりめん山椒は甘くて山椒のしびれがおいしい。お腹もしっかり満たされて、階段上がってランデブーラウンジでコーヒーを飲む。

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おそらく他にも和朝食のおいしいお店はたくさんあるに違いなく、けれどこういう贅沢なラウンジ付きの和食堂はココをおいて他になかろう…、と今日もにんまり。旅の前。


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