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それいゆなそれいゆでそれゆな朝

西荻窪にひさしぶりにきて朝に「それいゆ」。

昔、この界隈を歩いてて気になりいつか来てみたいと思ってた店。
ソレイユじゃなくて、ひらがなで「それいゆ」。
中原淳一が発行してた女性雑誌の名前を思い出させる。青いテントにレトロなデザインのロゴや看板がどこか雑誌のそれいゆ的。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%84%E3%82%86


お店の前にはお客さまの自転車ズラリ。地域のお店なんだなぁ…、ってニッコリします。

朝のメニューは3種類。

トーストセットにベーコンエッグ、ミルクトーストっていうのに強烈に惹かれたけれどベーコンエッグも捨てがたい。
悩んだ末にベーコンエッグトーストセットにする。お供はコーヒー。目玉焼きはよく焼きで…、ってお願いしました。
のんびりと待つ。

居心地のいいお店です。

お店の真ん中の大きなテーブルに水出しコーヒーの装置があって、ぽたぽたユックリ、コーヒーの雫が落ちて容器にたまる。

窓の外の景色はおだやか。
入り口の両側の柱に貼られたオレンジ色のタイルの意匠がうつくしく、ショーケスースの中にはおいしげなケーキ、コーヒーゼリーが並んでる。
西荻窪って喫茶店の多い町。どこもほどよき大きさで、お客さまでにぎわっている。スターバックスが威張っていない町っていいなぁ…、ってニッコリします。
耳をすませないと聞こえない程度のBGM。ショパンのピアノも優雅でよろしい。まずコーヒー。

スッキリとした酸味がおいしい軽い味わい。陶器のピッチャーにたっぷり入ったミルクはぽってり重たくて、乳脂肪分がゆらりゆらりと固まりちりめん模様を描いていくのがまたステキ。

そしてメインのベーコンエッグトーストがくる。

お皿はにぎやか。
野菜サラダにトースト、ひと口台に切り分け焼いたベーコンによく焼き卵。
多めの油で揚げるように焼いたのでしょう…、白身がクシュっと縮こまり黄身のまわりでチリチリ焦げて仕上がっている。

形は球状。太陽に焦げ目をつけてお皿の上においたよう!お店の名前も「それいゆ」だもの。
まずはサラダをもりもり食べる。かなりの量で口からお腹が潤うようなみずみずしさ。まずおりーぶおいるで野菜をドレスしてドレッシングをかけてるんでしょう…、緑の香りが食欲さそう。
卵をフォークで触ってみるとプルンと揺れる。白身は焦げているけれどおそらく黄身は半熟状態。
ならばとトーストの上に置いてナイフをススッと入れる。

ふたつに切れた卵の中からとろりと気味が流れ出す。バターをたっぷり塗り込めたパンが黄身をしっかり受け止め、もれなくたのしむことが叶った。

サックリ歯切れるトーストにねっとり黄身が混じってとろけバターの風味が口に広がる。ベーコンをひと切れ乗っけて一緒に食べるとコクと風味が一層ふくらむ。

残りひと切れのトーストを半分にしてその半分を2枚にひらく。ベーコン挟んで4切れにしてベーコンサンドのようにした。
最後のトーストひと切れでお皿をぬぐってお腹いっぱい。のんびり朝の時間を過ごす。隣の人が注文してたミルクトーストのおいしげなことに、またこなくちゃって思ってそろりと席を立つ。
ベレー帽のニコヤカ女子が「ありがとうございます」って厨房の中から声かける。まさに「それいゆ」。いいお店。


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