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とん丼、とん汁、路地の王様

新宿で昼。「王ろじ」に来る。
ランチタイムだけだけど休まずやってくれている。
朝11時15分から14時半まで。開店ちょっと前に来てみればもう営業中でそのまま入店。そして着席。ありがたい。

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創業大正10年の店。1921年ということですから、来年100歳。すごいこと。
「昔ながらのあたらしい味」というキャッチフレーズがボクは好き。一等地の大通りでなく「路地」の王様になりたいからと、王ろじとつけた名前もボクは好き。
ここでいつもたのむのは「とん丼」と「とん汁」。

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どちらもここの名物にしてオリジナル。とん丼の商品名に「カツカレー」と但書があり確かにご飯にカレーをかけてとんかつ乗せる。ただお皿ではなくそれが丼に入っているから「とん丼」という。はじめて食べたときには、アレって思った。

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まずとんかつが独特です。
最近はフワッと軽い衣が主流。
けれどここのはがっしりとしてザクザク壊れる頑丈なもの。
筋を丁寧に抜いた豚肉を丸めるように筒状にして揚げているから、スプーンで壊れる。
脂はほとんどなくて味わいさっぱりしていて、衣を食べてるって感じがたのしい。

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カレーはひと味足りないのです。
辛さはほどほど。旨味も弱い。カレーというよりカレー風味のあったかいソースがかかっているようで、おそらくとんかつがあくまで主役だからということなんでしょう。
そこにソースをたっぷりかける。すっきりとした酸味と野菜の甘み、そして旨味がしっかりとしたソースでそれに芥子を混ぜる。それで好みの味に整っていく。今日もおいしくなりました。

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大きな丼にたっぷりはいってやってくるここのとん汁。作り方が独特で、まずベーコンと玉ねぎ、しいたけを手鍋で炒める。油と一緒にこんがりと。ベーコンの脂が滲んで小さくなって、玉ねぎが軽く焦げたらそこに出汁。豆腐を入れて味噌をとく。麦味噌を濾さずにそのまま。だから麦のつぶつぶが残って仕上がる。その食感と喉越しが特別感を引き立てる。

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玉ねぎはシャキシャキとして豆腐はなめらか。焼いたベーコンの香りがどこか西洋的でとん汁というより味噌風味のベーコンスープのような感覚。オモシロイ。王ろじ漬けっていう薄切り大根とピーマンの麹漬けもシャキシャキおいしい。よき口直し。

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ここに来ると必ず丼の上をもって持ち上げてみる。

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下皿と丼本体がくっついて焼き上がっているここの丼。小さなこだわり、大きな違い。たのしみました、お昼時。


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