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生粉打ち三昧、窓の外には超高層ビル

明日から本格的な雨になるんだという、今日は不思議なほどに晴れ。
晴れやかな気持ちで蕎麦を食べましょう…、と新宿駅の高島屋にある「小松庵」にやってくる。

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好きな店です。空気がいい。
余計な飾りを配した和の空間に大きな窓から光が差し込む。
白い壁と白木の空間は光をほどよく反射して、光をためこむようにぼんやり輝く。光の中に身を置くと自分までもが輝くような感じがするのにウットリします。
しかも窓の外には超高層ビル街。遠くに都庁の頭も見える。ダイナミックで背筋がのびるロケーション。お店の人もうやうやしくて、ほどよき距離感でずっと手元をみていてくれる。安心できるよきお店。

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ずっと蕎麦だけでやっていたけどコロナでお客様が少なくなってきているからかなぁ…、最近、どんぶりメニューも増やしで随分種類が増えた。
とろろご飯との組み合わせなんて結構、気持ちを惹かれもしたけどここでいつも「生粉打ち三昧」。
そば粉100%の生粉打ちそば。
それの熱いの、そして冷たいのといろんな食べ方でたのしむことができる定食。2500円という大人価格ではあるけれど、納得できる。オキニイリ。

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せいろにタレが醤油のタレに胡麻ダレと2種類。鴨南蛮に天ぷらついてひと揃え。
鴨南蛮はずっと得意じゃなかったのだけど、ここのこれを食べて、いけるじゃないかと思って食べるようになった。脂の風味とザックリ歯切れる食感、そして力強い味と滋養を感じるおゴチソウ。熱々の汁に浸かって生粉打ちの麺がネットリとろけ、そこに鴨の脂が混じる。ネギはこんがりやかれてて、香りゆたかなおゴチソウ。

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せいろの蕎麦はみずみずしくて角のキリッとたった凛々しい姿が男前。

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天ぷらはエビに穴子にししとうに茄子。衣がサクッときれいに揚がって香りもさわやか。

薬味が多彩につくのもステキ。

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天ぷら用にと焼いた塩。ちょっとなめるとほのかな甘みを感じるおいしい塩でニッコリ。
蕎麦の薬味は刻んだネギにわさび。それから角切りにしたキュウリがつくのが特徴的。胡麻ダレによければどうぞ…、という趣向。
七味の中には大きく砕いた赤唐辛子がたっぷりまじり、胡麻の香りがほのかな仕上がり。香りよりも純粋な辛味を思う存分たのしんでということでしょう。鴨南蛮にたっぷり使って大人味。

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塩で食べてという天ぷらも、やっぱりタレに浸したくなる。エビの天ぷらを醤油のタレにドボッと漬けてそのまましばらくおいておく。天ぷら衣の油が染み出し、タレに風味やコクが着くのがオキニイリ。

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旨味のしっかりしたつけだれです。甘みよりも醤油のくっきりした香りや塩味。そして風味が際立つ仕上がり。塩辛さよりも旨味が強いからとっぷり浸して食べたくなる。ズズッと大きな音を立てすすりあげると醤油の香りがフワッと鼻から抜けてなんとも心地よい。
ぽってりとした胡麻ダレも出汁の旨味がどっしり受け止め、そこにキュウリの青々としたみずみずしさがよきアクセント。

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食べ終わる頃あいをみて蕎麦湯がくるのがありがたく、しかもぽってり。そば粉の風味と喉越しをたのしむ趣向にお腹も気持ちもあったまる。最後の一個、穴子の天ぷらを残して蕎麦湯のお供としました。満たされました…、オキニイリ。


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