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ベーコンが好きすぎて…。

ベーコン。
あるいはそれに準備た塩漬け豚肉の加工品。
なんで人はこんなにもおいしいモノを作ってしまったんだろう…、としみじみ思う食材です。
香りたかくて味わい深い。
脂ののった豚肉を食べるにあたって、これほどおいしい加工の仕方は他にないんじゃないかと思う。

カルボナーラもグアンチャーレの塩味、風味、脂の甘みがあってこそ。
薄切りにしたベーコンをサクサクになるまで焼いて挟んだBLTは、サンドイッチの王様と呼ぶにふさわしい風格がある。
野菜の端材をみじん切りしたベーコンと一緒に炒めてトマトを入れれば、他になにも加えなくともトマトスープとして味が整う。
食材でもあり、最高の調味料でもあるベーコン。

厚切りのベーコンに重しをのせて自分の脂で揚げ焼きすると、その香ばしさと凝縮された旨味は格別。
ガリガリかじってボリボリ噛んで味わい続ける。
するとまるで醤油にまぶしたなまり節を食べてるみたいな強い旨味に気持ちが切なくなっていく。

ベーコンという食材は甘みと出会うと一層おいしくなっていく。
パンケーキのサイドにガリガリに焼いたベーコンを添えてもらってメープルシロップをかけまわす。
シロップをたっぷり吸い込み重たくなったパンケーキと一緒にベーコンをパクっと食べる。
最初は甘い。
パンケーキが吸い込んだメープルシロップが、口の中へと逆流し焦げたようなシロップの香りが鼻からぬけていく。
ところがそれがたちまちベーコンの焦げた香りにおきかわる。
スモーキーな濃厚にして肉感的な脂の香り。
そして塩味。
それから旨味。
ベーコンの中に凝縮された肉の旨味をこころおきなく堪能できる。
パンケーキが主役のように見えて実はベーコンの引き立て役だったと思えるほどに、ベーコンと甘みの出会いは衝撃的。

クリスピークリームドーナツの一部店舗の限定品。
朝食ドーナツでその衝撃を手軽に味わいたのしめる。
たのしみの種類は2種類、ベーコンチーズとベーコンエッグ。

ベーコンチーズの方がより強烈。
だってチーズを挟んたドーナツにカリカリ焼いたベーコンを脂ごとかけあっためた脂まみれの一品で、でもおいしい。
だからおいしいといったほうが的確ですか。
ボクが20代だったらまとめて二、三個食べたくなるようなおいしさで、それに比べてベーコンエッグは還暦おじさんにほどよい衝撃。

クリスピークリームの主力商品、オリジナルグレーズドを二枚に開いて、中に目玉焼きとグリルドベーコンを挟んだもの。
名前の通りで、いかにもシンプル。
ソースや薬味を一切必要とせず素材同士の持ち味で味わう趣向。
噛むとクシャッとドーナツ生地が潰れます。
それと同時にジュワっと油がにじむ。
砂糖の甘さを帯びた油です。
口の中がひんやりとして、あぁ、甘いって思った次の瞬間、しょっぱいベーコンが舌にさわってびっくりします。
ドーナツの油にベーコンの脂がまじってとろけていくのもつかの間、プチュっと目玉焼きが潰れて黄身がほとばしり出る。
黄身は甘くてこってり濃厚。まるでソースのようにふるまい口の中のありとあらゆるモノを引き受けひとつにさせる。
思わずウットリ。
血糖値が一瞬にしてあがる見事な朝食メニュー。危険ないざない…、オキニイリ。

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