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食べるト楽しむ

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ホガラカな視点で食べるということを考えてみる。 ホガラカな視点でたのしむということを考えてみたら、こんなたのしいコンテンツになりました。 例えば「食べログ」のたのしみ方。例えば「…
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2023年6月の記事一覧

やわらかいからおいしいパスタもある!

日本には「アルデンテ信仰」のようなものなあるようで、食べログなんかのレビューを見てても、パスタを評するときにアルデンテかどうかが点数を左右するように思えたりする。 歯ごたえのある麺の状態。 「髪の毛ほどの芯を残す」なんてなかなかポエティックな表現をwikiでは紹介してたりするけど、最近は髪の毛どころか針金レベルのアルデンテにする店があったりする。 うどんの世界でもコシや歯ごたえが人気のバロメーターなんて言われてるから、日本人はよほど歯を酷使する食べ物が好きなんだなぁって思う

悔しいほどに芸術的なステーキの話をしましょう

新橋田村町に「麤皮」というレストランがありました。 フランスの小説家バルザックの長編小説の名前に所以をもつ店名。 仰々しい漢字の読みは「あらがわ」。 芸術的なステーキをこころおきなく味わえば最低でも5万円を覚悟しないといけないお店。 けれどその値段をはるかに上回る満足を確実に与えてくれる店でもあって、特別な人と特別な時間を過ごすためによく使っていた。 そのお店は今はない。 入居しているビルの建て替えで、場所を移して営業している。 神戸三宮にも店はあり、けれどどちらも田

お好み焼きの味って一体何味?

お好み焼き。 調べれば調べるほどに不思議がつのる食べ物です。 起源を千利休の時代まで遡るなんて説もあるけど、おそらく昭和に入るか入らぬか…、って時代に生まれた料理というのが定説。 小麦粉を溶いて焼くというあまりに単純な料理ですから、おそらく自然発生的に生まれた料理なんでしょう。 最初は名も無い料理だった。 それに「お好み焼き」という名前がついてはじめて今のお好み焼きが生まれた…、ということになるのでしょうけど、それが大体昭和10年の頃なんだという。 それまで当時メリケン

シリーズ「やすませクッキング」②トーストサンド−2

朝食にいつも食べているようなサンドイッチを長持ちさせる。 「出来上がってから」長時間やすませてもおいしさが損なわれない。 そのためにさまざまな工夫を試していきついた作り方が、短いときで1時間。 手間がかかると1時間半ほども時間がかかってしまう作り方。 切ってはやすませ、加熱してはやすませ、出来上がってまたやすませてをくり返すと、時間がかかってしまうのだけど、作ったばかりの状態が6時間から8時間は持続する。 出来上がったサンドイッチをランチボックスに入れるときの包み方まで工夫

シリーズ「やすませクッキング」②トーストサンド−1

はまの屋パーラー。 身内でなく、かつての従業員でもない赤の他人が引き継いで、にもかかわらず限りなく今まで通りずっと守って続いている店。 昭和喫茶の典型のような店を現在守っているのは若い人たち。 だから彼らなりの工夫がちょっとづつ行われていて、例えばバナナジュースやプリン、それからホットケーキと「昭和喫茶を代表する」ような商品が導入されていたりする。 若い人たちの「昭和に対する憧れ」あるいは「リスペクト」と思えばそれもほほえましくって、たまに行くとホッとする。 サンドイッ

ピザトーストの憂鬱

ボクが好きなピザの話を書いていたら「おいしいピザトーストを食べたいなぁ」…、って思った。 ピザトースト。 日本の喫茶店の定番料理のひとつ。 まだ日本という国の「洋食文化」の歴史が浅く、西洋料理を作る環境が整っていなかったときに発明された「工夫の料理」。 ピザ生地を作れないから食パンを代わりに使う。 トマトソースを手軽に作ることができないから、ケチャップをベースに味をととのえて、本格的なオーブンがない厨房でオーブントースターを使って作った。 そういう料理。 喫茶店のメニュ

シリーズ「やすませクッキング」①豆腐

「できたてはおいしい信仰」のようなものがどうも日本にはあるようで、「作り置き」という言葉がイコール「手抜き料理」のように思われてしまうなやましさ。 できたてから時間を経るごとにおいしさが増していく料理というのもあって、例えばステーキ。 焼き上がってからしばらくそのまま休ませることで、肉の中で暴れていた肉汁が落ち着き、切っても肉汁が溢れ出したりすることがなくなる。 つまり、肉おいしさをもれなく味わいたいのであれば、焼きたてを急いで切ってお皿に肉汁を食べさせちゃいけないんだ…、

ピザの正解ってあるんだろうか?ー3

考えてみれば世界で一番食べられているピザって、イタリアのピザじゃなくってアメリカのピザじゃないかと思う。 デリバリーピザがやってくる何十年も前からシェイキーズに行けば「日本のピザ」じゃなくて「外国のピザ」が食べられた。 あれはかなりホンモノっぽかった。 だってそれまでピザといえば喫茶店のピザ。 ピザパイ…、って呼ばれていたパイシートの上にピザソースとピーマン、タマネギ、サラミにチーズで焼いたもの。 そう、サラミ! ハムじゃなくてサラミというのがホンモノっぽさの極みだったな

ピザの正解ってあるんだろうか?ー2

ナポリピザが大好きな人は、ナポリピザ以外を認めたがらない。 あんなのピザじゃない…、って言ってバカにするけどおそらく世界で一番食べられているのはアメリカ風のピザじゃないかと思うのですネ。 それをピザじゃないっていい切ることはちょっと乱暴。 なによりボクのピザはナポリピザではない、とあるピザ。 ナポリピザのみずっぽさが好きじゃないの…。

ピザの正解ってあるんだろうか?ー1

「50 Top Pizza」というピッツェリア専門のガイドブックがある。 世界的な権威と影響力を持ったガイドということで、毎年発表される地区別のトップ50の顔ぶれが話題になる。 …、ということなんだけど、実際、リストアップされたピッツェリアの顔ぶれにへーって思った。 頂点に輝いたのは、日本橋のマンダリンオリエンタル東京にある「ピッツァバー on 38th」。 他に14軒もの店が日本からランクイン…、というのだけれどほとんど知らない店なんだもん。 【50 Top Pizza

冷製パスタの作り方

冷たい麺がおいしい季節がやってきます。 冷やし中華や冷麺、冷たいそば、うどん。 簡単なのはそうめんなんかになるんでしょうけど、ボクは冷たいパスタをよく作る。 ちょっとコツが必要です。 それというのもパスタという料理は、ソースを乳化させることで麺にまとわりつかせる料理。 乳化のためには麺のデンプンとソースの油が必要になる。 ソースの油はオリーブオイルを使えばなんとかなるものの、茹でた麺を水で冷ますとデンプンまでもを洗ってしまう。 イタリア料理のシェフの中には、茹でたパスタを

苦手なすし屋、好きなすし屋のあれやこれ

寿司は好物。 おいしければ回転寿司でも食堂の寿司でも、立喰いだってなんでも食べる。 江戸前の寿司も関西の押し寿司も、あるいはいなり寿司も好き。 もしかしたらボクは寿司じゃなくって「シャリ」が好きなんじゃないかって思ってしまうほど。 シャリに対しても寛容で、甘いのも好き、赤酢のようにスッキリ酸っぱいシャリも好き。 ボクのばあやさんが作る、寿司酢をじゃぶじゃぶ注いでザブザブになったばら寿司も好きで、母に「あなたは何でも食べるのね」って呆れられてた。 とにかく寿司は大好物。