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食べるト楽しむ

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ホガラカな視点で食べるということを考えてみる。 ホガラカな視点でたのしむということを考えてみたら、こんなたのしいコンテンツになりました。 例えば「食べログ」のたのしみ方。例えば「…
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冷やし中華(の話)はじめました

冷やし中華。 かつて夏の食の風物詩といえば「かき氷、アイスコーヒー、冷やし中華」。 かつてと言っても1960年代に遡りますから半世紀以上も前のこと。 …、と書きはじめてボクは半世紀前のことを書ける年齢になったんだってビックリしました(笑)。 氷が高級品だった時代のコトです。 一年ずっと売りたくても売れない事情が当時はあった。 今やアイスコーヒーは年中あります。 氷を入れたグラスにリキッドコーヒーを注げばできる気軽さは、売らない理由がないほど手軽。 かき氷はそれでも夏の甘味と

「ご飯は炊くモノ」じゃないと思えば自由でたのしい

ご飯を炊く。 とても普通に使う表現。 「ご飯が炊けた」といえば食事の準備ができたの意味で使われることもあるほど。 ご飯を炊く一番便利な方法が炊飯器を使うというコトなのでしょうけど炊飯器でご飯をおいしく炊こうとすると2合以上炊かなきゃいけない。 少量でもおいしいご飯を炊けることを売りにした炊飯器があったりもするけれど、買うのもなんだかもったいない。 それに場所塞げでもあり、なによりデザインが好きじゃない。 実は10年ほど前からうちでは土鍋でご飯を炊いてた。 タナカくんが土

豆と肉

男性ホルモンを正常に働かせるために豆と肉を食べるといい。 先日、そんな話を書いてたら、チリビーンズが食べたくなって近所のウェンディーズにやってきた。 アメリカから来たハンバーガーチェーンで、40年近く前に初上陸したときには「ハンバーガー・チリビーンズ・サラダバー」を売り物にして他のチェーンと差別化してた。 それも徐々にサラダバーがなくなってチリビーンズも推されることなく、マクドナルドが仕掛けた安売り戦争に巻き込まれ一時撤退。 再上陸を果たすも過ぎたグルメ路線でまた負けて、フ

ホルトガルの缶詰、バスクのピルピル

先日、映画好きの友人と話をしていて、ディザスタームービーでよく観る、荒廃した町で見つけた缶詰を貪るように食べりシーンがあるじゃない? あれって賞味期限とか大丈夫なんだろうか…、って話題になった。 そもそも缶詰って賞味期限はどのくらいなんだろうって調べてみたら、だいたいにして2年から3年なんだってことがわかった。 はごろものツナ缶やいなば食品のグリーンカレー、フルーツ缶詰、ランチョンミートとどれも3年。 キャンベルのスープ缶詰は2年と短め。 そういえばタナカくんが買ってくれて

韓国の食べ方、日本の食べ方、奥ゆかしき食べ方②

器を手にとる習慣が日本の料理を優美で繊細なものにしたと言う話で昨日はしめくくりました。 そして「器を手にとり味わう文化」の集大成。 …、と言うか究極の姿が「茶の湯」。 器の中でお茶が仕上がる。 お茶を作った器がそのまま供されて、それを持ち上げ器の中の状態を見、重さを感じて手をあたためる。 口を器につけて飲み、味わい器の中を愛で飲み終わった器を拝見。 器を戻して一連の「茶をたのしむ」という儀式を終える。 日本の食文化が独特である理由のほとんどすべてがその一服に集約されてて、

韓国の食べ方、日本の食べ方、奥ゆかしき食べ方①

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地獄のご馳走、地獄のうどん

地獄のごとき熱さをたのしむ料理は多い。 昨日は地獄のそばの話をしたけど、ラーメンなんかに結構あります。 仕上げに熱々の油をスープに注いで蓋の役目をさせることで、熱さを閉じ込め持続させる工夫をしたりする店もある。 そういえば「あんかけ系」のそばやうどんも地獄クラスの熱さです。 ラーメンの場合は熱さの上に辛さや痺れでより一層の地獄を演出したりする。 激辛料理が好きな友人がいて、1日で激辛担々麺に激辛カレー、激辛スンドゥブと激辛料理を制覇していくという見事なまでの地獄めぐりをしたこ

熱いご馳走、地獄的そば

今日、昼ごはんを食べた中野の更科総本店には地獄を名乗る蕎麦がある。 「地獄そば」っていう料理で、これが一風変わってる。 茹で上げのそばを洗わず〆ず、そのまま器に盛り付けて鰹節や海苔、ネギと薬味をたっぷり盛り付けて生の卵の黄身を落として出汁をざざっとかけまわす。 よく混ぜ食べるという料理で、混ぜる瞬間、蕎麦が蓄えた蒸気がおそろしいほどの勢いで噴き出しまるで地獄の釜が開いたがごとき。 しかもずっと熱々が持続するから目に地獄、舌にも地獄の地獄そば。 ボクは生の卵が苦手だったから

そうめんがおいしい季節になりました

夏の気配がするとそうめんを食べたくなります。 盛夏になると、そうめんなんか食べてたら暑さに負けると思ってしまう。 梅雨の終わりのスッキリしない空気がそうめんをねだるのです。 ボクの母もそういう嗜好の持ち主で、お中元にそうめんが送られてくると「もう、手遅れなのよね…、夏に送られても。お歳暮だったら気が利いてるのに」って必ず言う。 冬のそうめんは格別です。 おこたに入って冷たいそうめん。 あるいは上等なお出汁で煮麺をつくるのも粋。 とはいえ頂いたものはおいしく食べなくちゃ申し訳

スパゲティをフォークとスプーンで食べちゃう理由②

日本人はそばをズズッと啜って食べる。 特にせいろは、そばの先をタレに浸して空気と一緒に吸い込むからこそおいしい料理。 かつて西洋人が嫌った日本の食習慣で、ところが最近、そば屋でそばをズズッとたぐるインバウンドさんがたまにいる。 と言ってまだまだ少数派。 多くの人はタレにドプッと浸して箸でまとめて持ち上げて、もぐもぐ食べる。 そんな食べ方をしたら、唇をキリッと角張った麺がくすぐるような食感も、適度なタレの塩梅も、そばの香りも味わえないのに…、って思ってしまう。 料理というのは

スパゲティをフォークとスプーンで食べちゃう理由①

今日、ランチを食べたシーフードレストランの隣の席に、女性ふたりが食事をしてた。 食べていたのはスパゲティ。 さすがシーフードレストランです。おいしげなボンゴレビアンコと具材たっぷりのペスカトーレ。 食事をしながらもずっとたのしげにおしゃべりしてる。 こんな話が聞こえてきました。 そういう彼女は右手にフォーク、左手にスプーンを持ってスパゲティを食べている。 イタリアの人が彼女をみて帰国したらこういうのでしょう。 日本に行ったらスパゲティを食べるのにスプーンを使っているのを見

悪魔の食べ物、鬼の食べ物…、のハナシ

先日、デビルドエッグが夢にでてきた。 殻を剥いたゆで卵の黄身を取り出しマヨネーズやマスタードを混ぜてペースト状にしたのを、白身の凹みに絞り出す。 ディルやカイエンペパーをちらして仕上げる料理。 カクテルパーティーの定番の前菜料理で、作ろうと思えば作れるけれど大量に卵を茹でなきゃいけなくて、一人で作るのはいささか難儀。 どこかでデビルドエッグを並べたパーティーをやってないかな…、なんて思った。 それにしてもデビルドエッグ。 悪魔的タマゴとでも訳しますか…、なんでそんな名前な

南蛮ってなに?

今日、食べた「天なんばんそば」。 なかなかに考察しがいのある料理です。 なんばんとは「南蛮」。 つまり「外国風」と今様に翻訳できる。 しかも「蛮」の文字がついているのでわかるように、「野蛮な外国」。 広義に解釈するならば「エスニック」という言葉が適当じゃないかと思う。 日本にとって憧れの文化をもった外国であった中国は南蛮じゃないのね…、たとえば江戸時代ならポルトガルだとかオランダだとかが南蛮となる。 ちなみに天ぷらの語源もポルトガル語だというのがひとつの説だけど、理由はカ

エビはなんで曲がっているの?

先日、エビフライを食べているときに若い人にこんな質問をされました。 エビには丸まるエビと真っすぐなエビの2種類があるんですか? 質問の意味がにわかにわからずキョトンとしていたら続けてこういう。 料理すると丸くなるエビと、こうして真っすぐになるエビがあるじゃないですか。 小さなエビは丸まる。 大きなエビは真っすぐになる。 小さいエビは丸まっていて、大きくなると背中が伸びるんじゃないかと思うんですけど、違いますか?って。 料理をなさる方であれば答えはわかりますよね。 エ