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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2023年6月の記事一覧

端正で力強い味。紅蘭の焼売、叉焼

前から来てみたかったお店を訪ねる。 銀座から築地に向かって20分ほど。築地本願寺さんのちょっと手前の北側…、駅でいえば新富町の駅から近い小さな路地の一軒家。 「紅蘭」という中国料理のお店がその場所。 著名なホテルの厨房を預かっていた調理人が独立して作ったお店。通常営業は昼だけで、夜は予約でかつての腕を思う存分ふるうんだという。 ちょっと探した。こんな場所にというしずかなところ。 お店に入るとおいしい香りにお腹がなります。カウンターの中に厨房。2階にテーブル席があるようで、で

ブルーライトがなかりせば…。

丸ノ内線で銀座に出てきて「待合室2」で朝ごはん。 かつて近所に「待合室」というお店があった。銀座数寄屋橋交差点から南北に伸びる道路の下は大きな駐車場が作られていて、その駐車場の出入り口のひとつにあった喫茶店。 おそらく社用車の運転手さんがご主人待ちの時間をつぶす場所だったのでしょう。 その支店がここで「待合室2」。 今は社用車を乗り回せる時代ではなく、それで一号店は役目を果たして閉店し、「2」だけが残った。 運転手さんの客待ちといえばタバコを吸う…、というニーズに合わせて

ぽんでとコーヒー

ひさしぶりの「ぽんでコーヒー」。 池袋の東口側を南に向かってちょっと歩いたところにある店。 前回来たのは一年ほど前。お店の雰囲気はかわらずそのときのままの感覚。 お店を入るとショーケース。その手前にズラリとポンデケイジョがならんでる。 タピオカ粉を混ぜて仕上げたもちもち感が特徴のパンといえばいいのかなぁ…、あるいはお菓子。 お店の隅っこには水出しコーヒーをおとす装置が置かれてて、ポンデケイジョを食べながらコーヒーをどうぞという店。 ポンデケイジョは色とりどり。全部で20種

タカセのホットドッグではじめる月曜

池袋。朝の「タカセ」ではじめる月曜。 一階にパンやお菓子の売り場があって、2階、3階、9階に喫茶室やらレストランやらがある「タカセビル」。 多分、昔は全館タカセで使っていたんでしょう。日本全国、ちょっとした駅の前にはこういうビルがかつてはあった。 新宿の中村屋なんてそういうたのしい場所だったけど、普通にテナントビルになっちゃった。 「食」が娯楽の主役じゃなくなったんだろうなぁ。にもかかわらずテレビやネットで盛り上がるのは食に関することが多くて、なんだか不思議。わからない。

ベーコンドッグのブランチセット。新宿ベルク

ベルクで軽く昼ごはん。 ホットドッグやサンドイッチをたのむとブランチセットにしてもらえる時間帯。飲み物付きでなにを選んでも500円台といううれしい値段。 マイスターベーコンドッグをメインに選び、お供はホットコーヒー。 本格的なランチ時間のちょっと前。お店の中はのんびりしてます。カレーを食べる人。ビールを飲んでおしゃべりする人たちとお店のムードは自由で明るい。 飛沫感染パネルはすっかりなくなって、お店の景色はほぼコロナ前。カウンターで注文したり商品をとりにいったりするときだ

当たり前がとびきりおいしい焼肉

打ち合わせを終え焼肉で〆。 先月やってきてたちまちオキニイリになった「マルイ」を選んだ。 田んぼの真中の小さな店です。 知らずに車にのってると、どこに一体つれていかれるんだろうって不安になってしまうような場所。 店の中はしっかりとした造りで、座り心地のよい椅子にテーブルには無煙ロースターが埋め込まれている。 食事を終えたら新幹線で帰らなくちゃいけない身には、空気がきれいな焼肉の店はありがたい。 まずは牛タン。 厚切りのタンの色艶はうつくしく、塩に胡椒を強めにふってやって

なまずやなる鰻屋。白焼き、肝焼き、ひつまぶし。鰻三昧3点セット

岐阜のお昼に鰻を食べる。 「なまずや」という人気のお店。 強めの雨の降る寒い昼時でありながらお店はにぎやか…、ほぼ満席です。 この界隈に何軒か同じ名前のお店があってどこもが「分店」を名乗ってる。暖簾分けなのかチェーンなのか…、ここは「丸の内分店」を名乗ってる。 「白焼」「肝焼き」「ひつまぶし」の3点セット。 まず白焼がくる。 蒸さずに仕上げる地焼きの鰻。 表面に脂が作った泡がふいてて表面さくさく。噛むとざっくり歯切れてジュワッと脂が滲んで口が涼しく感じる。 タレをつけず

夏至の日の雅味近どう。鮎を焼く

岐阜の夜の「雅味近どう」。 夏至の今日。お店に入ったときにはまだ明るくて、雨がちらつく涼しいお日和。 竹で編んだ虫かごみたいな覆いをかけた前菜がくる。 一品目から夏の装い。 メインはねっとりとしたごま豆腐。「水無月」という和菓子を倣って仕立てられてる。ういろうに硬く炊いた小豆の餡をちらしたお菓子が水無月で、だからごま豆腐の中に小豆が潜んでる。コツコツ奥歯を叩いて甘みを吐き出す豆のおいしさ。ニッコリします。 トマトのおひたし、青菜の煮浸し、すっぽんのスープで炊いたおからに甘

鳥中華。ラーメンとそばの間を行ったり来たり…。

天童市に来て「水車」というそば屋。 山形名物の「鳥中華」の元祖と言われるお店でお昼。 鳥ガラスープと鳥肉を具にしたラーメンなんだけど味わい独特。 スープが甘くて、麺つゆを鳥ガラスープで割ったみたいな味がするのね。ただそれだけだとあっさりしすぎてラーメンみたいに感じないから天かすをくわえて油の風味とコクを出してる。 ここにそばを入れれば和風の鳥そばになりそうな味。 麺はカンスイ強めの中華麺。独特の香りとちゅるちゅるした食感を食べるとラーメンのようにも感じる。 ひと口ごとに頭

銀座のお昼。カウンターでスイカが笑う

昼に有楽町の「いちにぃさん」。 黒豚のしゃぶしゃぶで有名な店。昼にはせいろで蒸し上げた「蒸ししゃぶ」が人気でいつもにぎやか、お店の外には小さい行列。 客席に案内してくれる店長さんが元気でにこやか。 鹿児島のお国言葉丸出しで接客するのが小さな旅行をしたような気持ちになれて、ボクは好き。 座り心地のよいカウンター席。 一人分がゆったり取られて奥行きもあり、椅子がほどよい高さで疲れず居心地が良い。 カウンターの奥には厨房。角にスイカが置かれてて、季節を感じる。 大きな鍋がおか

ひさしぶりにはまの屋パーラー。卵焼きのサンドイッチ

卵焼きのサンドイッチを食べようと丸の内線にのって銀座の駅でおり、テクリ。 銀座と名前のついた駅だけど、ほぼ有楽町という場所でちょっと歩くと丸の内。 銀座という町の空気が皇居の空気に変わるきっかけになるのがガード下のトンネルで、ここを通るのがなぜか好き。 トンネルくぐった先に古いビルがあり、その一階にはいつの間にか行列ができるようになったレストランがあり、ビルの地下に「はまの屋パーラー」。 今朝の目的。 まもなくこのビルも再開発で、それもあってか支店を積極的に出している。で

回転寿司はエビがイカがおいしければよし

銀座から銀座線でスルッと渋谷。 ふたりでチームを組んでお手伝いしていたお店が渋谷にあって、だから一時期よく来てた。 小腹が空いたら寿司でもつまむかって「天下寿司」によく来てた。 オキニイリの回転寿司の小さなチェーン。 中央線沿線と山手線の渋谷から大塚という限定エリアに現在6店。昔は渋谷に2店舗あったけど今では一軒。昔からのオキニイリ。 いつもは入り口近くの席につく。今日は珍しくお店の奥の職人さんの手元が見える席をもらった。 背中に小さな厨房がある。そこでは巻物類が作られて

なつかしいプリン。なのにちょっと大人味

四谷三丁目に一旦もどり資料を準備。移動の前にカフェベローチェでお茶でもしようとやってきた。 コーヒーフロートにしようかなぁ…、と思いながら何気なく見たショーケースにプリンを発見。 店内で落としたエスプレッソをくわえて仕込んだプリンだという。コーヒー屋さんらしい工夫に食べてみようと食べてみる。 足つきのサンデーグラスにたっぷり入って上にくるんとソフトクリーム。テーブルに置くとプルンとプリンが揺れる。 あぁ、この感じ。ハウス食品のプリンの素で作ったプリンのような感覚。 食べ

シュークリームでのんびり過ごす神楽坂の午後

食後を「コパン」でぼんやりします。 坂を上がりきったところにあるセルフサービスの気軽なお店。 入り口入ったところに大きなショーケース。 10種類ほどのケーキが並んでて、どれもおいしげ。 一番人気はシュークリームです。 「神楽坂シュークリーム」って名前がついててオキニイリ。ホットコーヒーをお供にたのしむ。 大きすぎない。 小さすぎないほどよいサイズ。 シュー生地を上下にスパッと切り分けて台の方にたっぷりカスタードをまず搾る。上に生クリームを搾って生地を斜めにのせて出来上が