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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2020年11月の記事一覧

洗練のオーストラリア料理

九州からひさしぶりに友人がくる。もう20年以上の付き合いかなぁ…、ボクだけでなくタナカくんも仲良くしてもらっていた友人で、ボクが寂しがっていないかなぁって気遣ってくれてそれで一緒に夕食をとる。 GINZA SIXの中にある、オーストラリア料理のお店「アイアンバーク」っていうレストランを選んで来てみる。 入り口はいるとバーがあり、サロンを通ってダイニングルームに案内される。お店の造りは欧米によくあるタイプで、落ち着いた照明、ゆったりとした客席配置もオーストラリア的。 案内

浅草場外馬券売り場隣に張られたおしゃれな結界

浅草の場外馬券売り場のビルの隣に「フグレン」って言うコーヒー専門店がある。 ノルウェイ出身のマイクロロースター。お店に入るととにかく洗練されててオシャレな空気。北欧家具に北欧食器と二子玉マダムが狂喜乱舞しそうなムード。 けれど浅草。お店の前を馬券を買った人たちがぞろぞろ歩く、およそおしゃれじゃないロケーション。 インバウンド向けのおしゃれカプセルホテルとシェアオフィスの入ったビルの一階、二階。前知識がないと通り過ぎてしまうほどにそっけない外観、そしてなかなか中に入れぬ結界

松井製麺所。本広うどんに名前改め再開しました。

家の近所にあった「松井製麺所」といううどん屋さん。今年の3月くらいだったかなぁ…、よりよい場所への移転を目指して閉店しちゃった。 二人してオキニイリの店だったから、早く再開しないかなぁ…、と首を長くして待っていた。 やっと再開。場所は同じ四谷三丁目。昔フレッシュネスバーガーが入ってたビルの一階。だけどビルの廊下の一番奥という目立たぬ場所。うちから道路を挟んだ向かい側…、って感じのご近所。 今日、開店で早速行ってきました。讃岐弁で人懐っこくみんなに話しかける奥さん、大きな体

甘くて辛くてちょっとサラサラ、マドラスカレー

赤坂に来る。実は先日、新宿のTSUTAYAが閉店。レンタルDVDの種類が圧倒的でサブカル系やホラー、アジア映画の品揃えは見事だった。 配信サービスが一般的になったからレンタル事業は縮小方針。 けれどマニアな映画はまだまだレンタルショップで借りなきゃならない。代わりの店は渋谷なんだけど、ボクにとっては赤坂の方が便利。それでちょっとやってきた訳。 ただやっぱり品揃えは良くなくて、これなら別に配信サービスで十分か…、って思ってがっかり。近々渋谷に行かなくちゃ。 街をぼんやり歩いてい

新宿の地下街に優美なるモダンデザイン。

冷たい飲み物…、と思って近所をぶらぶら。あまり使わぬお店にしようと、新宿駅前の地下街の入口近くにある「喫茶ネギシ」という店を選んだ。 昔、一度来たことがある。 そのときはタバコの煙がけむたくパッとしないお店だなぁ…、と思った。 だからそれからこの店の前を何度も通っていたけれど、入ってみようと思うことはなかったのだけど…。 あらためてお店の様子をみるとこれがなかなか粋な店。 壁の意匠はモダンなしつらえ。ヘアライン仕上げのステンレスと経年で色がすっかり落ち着いたマホガニーの壁

演歌が流れてネタは新鮮、普通においしい近所の寿司屋は宝物

金曜の夜。家の近所をぶらりと歩く。 なつかしい店がたくさんある。それ以上に「今度行こうね」って言ってて結局行かずじまいの店あり、今日はそんなお店のひとつに行ってみる。 四谷三丁目の駅の近所の「小兵衛寿司」。 通りに面して入り口がなく、一旦ビルの中に入っていかなきゃお店に入れない。気軽な感じで値段もこなれて行ってみようかとずっといいつつ、結局行かずに終わったお店。 入ってみました。いい店でした。 こじんまりして明るくて、手の確実なご主人と陽気で気の利く奥さんがいる。BGMは

雪紅梅。くずきりに抹茶グラッセ、虎屋の冬

やさしい甘さがボクを呼ぶ。 伊勢丹の地下の虎屋菓寮で家に帰る前にちょっとのんびりしようとやってくる。 ちょっと前まで壁を彩っていた栗の意匠の幕が変わって、白と淡い紅色のものになっていた。 「冬になったんですね」ってお店の人に言ったら「雪紅梅というんですよ…、と」。 たしかにとらやの棹物に雪紅梅っていう、紅梅にうっすらと雪がかかった情景を移したお菓子がありました。たった二色のかさねで景色を表する日本の感性にウットリしました。 くずきりをたのんでお供に抹茶グラッセ。くずきりは

「元」メトロ食堂街ではしご飯

新宿駅のメトロビル。 地下一階のメトロ食堂街がクローズしてからもう2ヶ月ほどになりますか。「街」がクローズしても「店」は残って営業中。 肉の万世と永坂更科布屋太兵衛を今日ははしごしてやろう…、と。 それでまずは万世グリル。 和牛切り落としの野菜炒め定食たのんだ。 食堂街で閉めたお店には工事囲いがたてられていて、まるで工事現場の中を歩いてるみたいな場所になっちゃったけど、おなじみにさんは続々店を目指してくる。 頑張れ万世…、っていいたい気分。 カトラリーケースの一番上にか

生牡蠣にカキフライ…、海が口の中へとなだれこんでくるがごとし。

生牡蠣を食べたいなぁ…って思って新宿のオイスターバーワーフにやってくる。 昨日に続いて牡蠣ランチ。 バスターミナルビルの中にある店。 今は他のお店と同じく11時開店になっちゃったけど、かつては10時にランチスタート。 タナカくんが里帰りで乗るのは大抵1時ちょっと前のフライトで、11時スタートのランチじゃ遅い。それで旅の前のランチは必ずここって決まってた。 いい旅になりますように…、って水盃じゃ縁起悪いから、冷えた白か泡を必ずたのむ。生牡蠣をお供に小一時間をのんびり過ごす

揚げても焼いても牡蠣はおいしい

昼ご飯を何にしようか二人で迷い、たのしく銀座の街をさまよう。 コロナが理由か、ビルの建て替えを理由としてかお店が随分減っている。 目当ての店の数店にふられて結局「煉瓦亭」。 入り口脇に「カキフライ、牡蠣のバター焼きはじめました」と貼り紙があり、それがボクらの背中を押した。 2階に上がってフライにバター焼きをとって二人で分け合い食べる。 バター焼きの牡蠣のふっくら、お腹が膨らみ立派なこと。もしボクが牡蠣だったらばおそらく最上級の誉れを頂戴できるだろう…、とぽってりお腹をなで

今年も雪だるまを解体する季節が来たよ!

クリスピークリームドーナツにくる。 クリスマスドーナツが2週間ほど前から登場。食べなくちゃ…、って思ってた。 ハロウィーンが終わってしばらくすると街はクリスマス。ツリーも徐々に増えている。ただ例年に比べてペースはゆっくりでツリーも小さく地味な感じにやっぱりコロナなんだなぁ…、ってしみじみ思う。 せめてお腹は一足先にホリデーモードにしておきましょう。 今シーズン最初のホリデードーナツはチョコレートスノーマンを選びます。 ぽってり太った白い体にイチゴのピュレのマフラー巻いて

牛肉麺に海老ワンタンを泳がせる…。

夜、近所を歩くのが怖かった気持ちも徐々におさまって、たまに近所で夕食を取る。 今日は「新記」にやってくる。 ひとりでくるとカウンターがありがたく、外の景色を見ながらぼんやり。 目の前にある横断歩道をふたりで渡っていたんだ…、と思うとさみしいような、なつかしいような。 思い出があまりに多くて引っ越そうかと一時期考えたこともあるけど、引っ越したって思い出すのはこの街のこと。思い出から逃げるのじゃなく、思い出と向き合うことでしか気持ちは前に進めないから、ずっとこの街にいることに

鰻三昧丼を勝手に作る…、ご満悦

体のすみずみにじんわりと染み込むような滋養に満ちた料理を食べたい。 牛肉の瞬発力でなく、ニンニクの爆発的なスタミナでなく。持続する栄養となるとやっぱり鰻だなぁ…、と思った。 それで銀座の登亭。 テイクアウトの売店があり、小さく決していばらぬ感じの店構え。ほどよき値段で楽しめるのがありがたく、贔屓のお店のひとつになった。 楽しみ方はいつも同じで、一番安いうな丼に鰻の白焼き半尾分。肝焼きを添えてひと揃え。 ここのメニューでありがたいのが、蒲焼き、白焼きを半尾単位で売ってくれる

10分待っても釜揚げうどん

ひさしぶりに麺通団。 先週来ようと思って近所で、日乃屋カレーにひっかかって結局来れずじまいになってた。 ボクの両親は讃岐出身。タナカくんは高松の大学を出て高松で就職した人。だからさぬきのうどんは身近な存在。 特にタナカくんは「恐るべきさぬきうどん」っていう本のイラストを描いてたこともあるくらいで、讃岐のうどん屋さんには一家言を持っていた。 東京にはうまいうどんがないよねぇ…、ってぶつくさ言ってた矢先にできたのがこの麺通団。 何しろ、恐るべきさぬきうどんって本そのものが、讃