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国民医療費の動向(完全編) 社会福祉士国家試験 保健医療サービス

今回は、社会福祉士国家試験の第34回向けに、国民医療費の動向を確認しておきます。
医療費の動向については、一定間隔で必ず出題されていますので、確認をするようにしておいてください。
今回、厚生労働省による平成30年度の国民医療費の概況に基づく我が国の医療費について見て行きます。厚生労働省は、毎年「国民医療費」の統計を公表しています。
まず国民医療費というのは、何かを押さえてください。ここに国民医療費とは、その年度内に医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものになります。
で、ここでいう推計費用とは、医療保険制度や公費負担医療制度による給付と患者の一部負担として支払われた医療費を合算したものになります。

第24回第63問の選択肢では、「国民医療費に関する問題で、患者による一部負担は推計費用に含まれない。」との内容の正誤が問われています。

スライド6

そうですね。患者による一部負担も推計費用に入っています。よって、この選択肢は誤りになります。

では、ここに国民医療費の範囲はというと、保険診療の対象となる傷病の治療費(例えば、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費等)に限られています。ですから、保険診療の対象とならないものに要した費用や、正常な妊娠・分娩・健康診断・予防接種等、傷病の治療以外の費用は含みません。
国民医療費の範囲は、保険診療の対象となる傷病の治療費に限られているということを、まずは理解しておいてください。

第24回第63問の選択肢では、「国民医療費に関する問題で、国民医療費は、当該年度の医療機関における傷病の治療と正常な妊娠や分娩等に要する費用を推計したものである。」との内容の正誤が問われています。

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そうですね。傷病の治療は含まれますが、傷病ではない、正常な妊娠や分娩等に要する費用は含まれません。よって、この選択肢は誤りになります。

第31回第72問の選択肢では、「日本の公的医療保険の医療費に関する問題で、特定健康診査の費用は、療養の給付の対象外となる。」との内容の正誤が問われています。

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そうですね。特定健康診査の費用は、療養の給付の対象外になります。ですから、患者の全額自己負担になります。この選択肢はそのとおりです。

では、国民医療費の動向を確認します。
2018年度、平成30年度の国民医療費の総額は、約43兆3949億円で、前年度に比べて0.8%。金額で、3239億円の増加となっています。国民医療費は、2013年度(平成25年度)に初めて40兆円を突破しましたが、それ以降、40兆円を超えたままで今日まで推移しています。

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