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「自主研のススメ」40.タイミング

今回は僕自身の体験に基づく話なんですが、「何がベターだったか」を自分自身で振り返りつつ、皆さんにも考えてもらいたいなって。

1年目。事務職有志で立ち上げ

平成31年4月、人事異動で病院配属となり、直ぐに感じ取ったことは各所属でのセクショナリズムが強いこと。そこで「自主研」というよりも、「オフサイトミーティング」のような対話の場の必要性があると考え、まずは事務方で有志を募りネットワークを創りました。
ちなみに、オフサイトミーティングとは、端的にいうと「気楽にマジメな話をする場」ということで、詳しくは以下のスコラ・コンサルトのHPをご覧ください。とても参考になりますよ。

2年目。集まるだけでも原則禁止?

会を立ち上げたものの、ヤツがやってきました。
そう、コロナです。

今となっては、マスクと換気、そして手指消毒が大事だとわかるし、オミクロン以降だいぶ弱毒化しましたが、最初のうちはほんと五里霧中。病院勤務ということもあって、感染リスクはとにかく避ける。徹底的に避ける。さらに、緊急対応の連続で職員は疲弊。
そんな状況から、会の活動は停止しました。

3年目。対話の重要性の再確認。

コロナ禍はまだまだ続いていて、波が来るたびに対応に迫られていました。そんな中、隣の課であってもその苦労が全く見えていないということを思い知る機会がたまたまあったので、コロナ対応でどんな苦労をしているかを共有する機会をもつために対話の場を再開しました。
それにより、各部署での苦労が共有され、互いを慮る気持ちが生まれました。病院のような小さな組織で、部署を越えた助け合いなんて当たり前と思われるかもですが、互いが何をやっているかが見えないとそれも進みません。それが、対話によって風穴が空いたのです。
その経験から、やはり院内全体でオフサイトミーティングの必要性を再認識し、次年度は院内全体を巻き込んで実践しようとなり、そのためにはまずは幹部会議において承認を求めることにしました。

企画提案書や周知用チラシを作成し、それをもって根回しに入りました。
手前味噌ながら、こうした企画づくりには自信があたったので、早々に認められて公開活動として一歩踏み出すつもり満々だったのですが・・・
幹部のお一人から強い反対意見を受け、話は頓挫しました。

4年目。水面下で拡大(コメ+看護+事務)

病院にはオフサイトミーティングが必要。でも公式事業として認められるには、余計だろう労力とストレスを抱えることが求められると感じ、であればと、4年目は水面下で仲間を増やす年にすると切り替えました。
というのも、その反対された幹部が年度末にいなくなることがわかっていたので、それまで力を蓄えておこうと。

そこで、4年目は事務方のみ拡大し、薬剤師や放射線技師等のコメディカル、そして看護師にも仲間を募って対話の場を開きました。そしたら、困った時に相談するところがわかった!という実務的な話から、これまでコスト意識が足りなさすぎて反省した、モチベーションが高まった!といった感想を得られました。
そして、月1回の活動が安定して行われるようになり、いよいよ次年度に向けて表にでる準備を再開していきました。

本庁の自主研との共催で、SDGsの勉強会も開催

5年目。満を持して公認事業へ

機は熟しました。
さらに病院公認としやすくなる工夫として、最初の3ヶ月の講師を、院長、副院長、看護部長に依頼することで、幹部会議で反対が出づらい環境を整え
ました。結果、無事に幹部会議において院内イントラで参加者募集告知をすることの承認を得ることができました!やった!!

そして、第1回を先日開催し、院長から熱い話をいただき、その話を受けてグループにわかれ各自の想いを語り合うことができました。
初回の参加者は約30人でしたが、今後着々と仲間を増やし、今年度中には参加者を100人規模まで増やすこと目指したいし、そこまで前向きに病院を変えたいと考える職員が増えたら、患者さんにも職員にも良き急性期病院へと生まれ変わっていくと信じて。

ベストなタイミングなんてない?

公認事業になるまで5年もかかってしまいました。
コロナ禍での病院という特殊事情が重なったので仕方ないところあったかと思いつつも、1年前倒しすることはできたかも知れません。
一方で、1年待ち、環境が整えることができたことで、順調なスタートを切ることができたとも言えます。

世の中を変える力がある人って、周りが反対していても自らの主張に自信があれば、ゴリゴリと動かしていく人だと捉えてます。そんな人であれば、もっと早く公認事業化してたでしょう。
でも僕は、皆が反対するようなことを是が非でも突破してやるというほどの気概を持てない軟弱者です。そんな僕でも、小さなステップを踏むことはできるので、丸4年の歳月を経て今に至りました。

振り返ってみて、もっと労力とストレスをかけてでももっと早く公認事業として行うべきだったか、ここは評価が難しいところです。

このnoteを最後まで読んでくださった皆さんの中には、自主研を立ち上げたいと考えつつ、今は立ち上げしづらい要因あって悩んでいる方もいることでしょう。
では、いつ立ち上げるのがベストか?
僕の考えとしては「正解」なんてないのではないかと。
たとえ「今」立ち上げられなくても、「今から」できることはきっとあるので、想いがあるのならば、まずは一歩を踏み出してみるってのはどうでしょうか。

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