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「自主研のススメ」34.運営費

日本人ってお金の話をするのが苦手なイメージありませんか?

苦手意識がない方であれば、自主研を運営するにあたって、現実的に必要となるお金を算段し、その額を徴収するってことで事足ります。
ただ、「参加費は幾らぐらいとればいいのかな?」逆に、「講師に対して幾らぐらいのお礼をすればいいのかな?」など、経験がないと判断に迷われることもあるでしょう。
そこで、今回は自主研運営に伴うお金の話について、まとめてみます。

支出

自主研を運営するにあたり、必要となる主な支出は次のとおりです。

➀講師謝礼

身内の職員が講師となった場合は特に謝礼の必要はないですが、外部の方に講師をお願いする場合は、基本的に何かしらの謝礼を用意するのが適当だと僕は考えています。講義の準備には、それなりに時間と労力がかかりますので。しかも、これは体験してないとわかりづらいかもですが、謝礼が発生した方がよりクオリティを上げなければならないというモチベーションが働きます。そのため、ただでお願いするということは、「そこそこのクオリティで良いから」と言っているようなものだと自覚しておいた方がよいです。

では、具体的に幾らくらいをお支払いしていたか?
あくまで、僕の経験則となりますが、基本的に1回あたり5,000円程度でお願いしていました。なお、市外等からお越しいただく時は、交通費の実費分も別途用意します。

なお、この5,000円程度というのは、そのままキャッシュでお渡しすることもありますが、僕が運営に関わった学習会で多くやっていたパターンは、1,000円程度のお礼(お菓子など)と4,000円程度の懇親会の個人負担分をもつということが多かったです。このやり方だと、お菓子で地域の銘菓等を選び、懇親会の会場も非チェーン系を選べばお金が域内で循環するという、我ながら素敵なお金の使い方だと考えていました♪

また交通費の削減手法として、元々”こっち方面”に来る機会がある時に講師を依頼することで交通費を節約できます。この手法は、中野区のNASを運営していた酒井さんに伝授してもらったもので、中野区は都内なので特にこの手法がやりやすいという面はあります、参考にはなりますよ。

②会場費

庁内の会議室を借りることができれば会場費はかかりませんが、自主研に対する組織のスタンスによって借りることができないこともままあります。
そうなると、公民館等の公共施設を借りることになるので、その場合は会場費が発生します。また、プロジェクターやスクリーンなどの備品を借りるとその分使用料が増えるので注意しましょう。

③その他消耗品等

ワークショップをやるのであれば、マジックや付箋、模造紙なども用意することがあります。少し値が張りますが、絵柄のある付箋を使うと場が和むので、対話しやすくするための一つ工夫として参考にしてみてください。

イケメン付箋

なお、定期的に学習会を開催するような自主研運営の場合は、このような支出基準を先に定めて、それを支払うために必要な額を収入することになります。
一方、大きな会場で単発イベント的に行うような場合は「入るを量りて出ずるを為す」ことになります。なお、想定集客ができないと自腹で大変なことになるので、それはそれで必死になります。本気で集客するというのは、公務では経験無い人多いと思うので、他に得がたい経験となりますよ。これマジで。

収入

➀年会費

年あたり500円~1,000円を徴収して行うやり方です。このやり方のメリットは、いざという時に使えるストックを持つことができること。一方、徴収したお金が余る問題も生じます。
僕も参加しているK33ネットワークでは、設立当初、年会費2,000円を徴収して運営していました。この額は、設定条件として年1回程度大きな会場借りてイベントをやることを想定したものでしたが、そうしたイベント実施にまでなかなか発展しなかったことから、結構な会費が余る問題が生じました。
そのため、ここ数年は年会費をとることなく、繰越金で運営しています。

②都度参加費

学習会のたびに参加費を取る手法で、1回あたり100~300円程度を負担してもらうものです。メンバーが固定化しない運営手法をとっている場合は、大体この方法になります。このやり方だと、参加者数によって赤字が出で自腹をきるリスクが生じます。また、このやり方でも参加者数が多く続くと、余剰金が膨れるリスクもあります。

③自治体からの補助金

職員による自己啓発活動を推進することを狙い、グループに補助金を支出する制度がある自治体もあります。先日業務で『実務提要』で調べ物する機会があったのですが、そこに自主研に対して「補助金要綱を整備し、支出するのは構わない」といった記載があったので、助成制度を有する自治体はそれなりにあるのではないでしょうか。
自治体から助成を受ける場合、補助金要綱で定められた様式に基づき申請・報告をすることが求められます。補助金を受けて活動していたとき、僕はこの書類作成を面倒だと感じていました。ただ、今振り返って考えると、そうした書類は活動を周知するためのツールの一つとして使うこともできたので、人事に提出するだけでなく「こうした活動していますよ、良かったらあなたも参加しませんか?」的に使えば良かったなと、少々後悔してます。

経験値として

このようなお金の算段や、講師へのお礼調整など、特に公務員はこうした機会に巡り合うことない人多いので、とても貴重な体験として経験値稼ぐことにもつながります。こういうのも、自主研活動の価値の一つですね。

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