【第十五話】春のおさらい会、立派な会場にふるえる|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う
さてお支度も済み、やってきました大阪・天王寺は天王殿。
↓お支度編はこちら
えーと、大阪の天王寺っていうと、
動物園のまわりになんか小屋が建ってて、おっちゃんがカラオケの音量Maxでいい調子で歌ってるのにあわせて、おばちゃんがあてぶりつけて踊ってたりするとこ違うんか?!
(30年前の記憶なのでいろいろアヤシイ)
天王殿、立派な料亭でした。
↓姉弟子Yさんの写真たっぷり記事をどうぞ。
わー、こんなとこ、わたし入ってええんかな?
お部屋もめっちゃあるー!どこやろ?ここかな?
えー!すごい!めちゃ広い!舞台がある!橋がかりまであって本格的〜
(橋がかりとは、舞台の出入りに使う廊下のこと)
これで無観客なんてもったいないなぁ。おのれ新型ナニガシめ…
などとわあわあしていると、大師匠(おっしょはんの師匠)ご到着。
室内は水を打ったように静かになる。
頭もりもり化粧バッチリ華やかなきもの姿の見目麗しい淑女達がずらっと正座で並び、深々と頭を下げる。
これは映画かなにかかな?
といつも思う。
俯瞰で見たらさぞや絵になっているであろう。
あ、大師匠はとてもやさしいんですよ。
一斉ごあいさつのときだけ空気がサッ、とかわってピリッとなるのです。
さてご挨拶がすめばいつも通りのなごやかムード。
振り付けの最終確認をしたり、お化粧や着付けを直したり直してあげたり。
口紅、忘れんといてくださいねー!
おっしょはんの声。
おっといかんいかん。
ニューノーマルな日々は基本、常にマスクだからね、口紅してないよね。
紅筆持つのも久しぶりだなぁ。
あー、やり直してるうちに大きくなっちゃった・・・
オバQか?!
そうこうしているうちに開演時間。
大師匠のご挨拶、おっしょはんのごあいさつと舞にて幕開け。
続いて入門日の浅い順に、日頃の成果を披露していきます。
入門7年目(もうそんなになるんか?!)の私の出番は後半。
はー、緊張するなー。
そしてここは料亭。
美しい懐石料理が次々と運ばれてきますが、緊張で喉を通りません。
お料理冷めちゃうな、早く自分の番になってくれないかな・・・
(食い意地張りすぎ)
(続く)
↓本シリーズのマガジンはこちら!
最後まで読んでいただきありがとうございました! 「スキ」や「シェア」していただけるとうれしいです。