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しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

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四十の手習いで日本舞踊を始めたしがない勤め人が、国立文楽劇場で藤娘を舞うまでをノンフィクションでお届けします。
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#藤娘

【第四十話】当日、おしたく・小道具編 |しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

開演時刻を過ぎているからか、小道具さんがなかなかつかまりません。 しばらくしておっしょは…

【第三十九話】当日おしたく、衣装編|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

場当たりを終え楽屋に戻るとほどなく、 「藤娘さーん、そろそろお着替えでーす。お手洗い済ま…

【前口上】しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

2021年夏。 しがない勤め人のわたくし、国立文楽劇場で藤娘を舞わせていただきました。 身の…

【第一話】演目は突然に|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

演目は突然告げられる「来年の舞台の曲、決まりましたよー。”藤娘”です!」 2019年初冬のお…

【第二話】舞のお稽古とインストラクショナルデザイン|しがない勤め人、国立文楽劇場…

舞のお稽古方法は実に理にかなっている。数年前、早稲田大学のオープンカレッジで”教える技術…

【第三話】お稽古歳時記|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

春と夏におさらい会がある前話の最後に、 「3月中に藤娘を、そこそこ仕上げなければいけない」…

【第四話】新型コロナでなにもかもふっ飛ぶ|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

はるの会、延期となる今や「あーまたか、はいはい」な緊急事態宣言であるが、 初発出の2020年当時、それはそれは重いものであった。 そもそも緊急事態宣言発出以前から “不要不急“なナニガシ、はことごとく自粛ムードであった。 雰囲気だけではない。皆まじめにあれもこれも最大限に自粛していた。 そうこうしているうちに、 2020年4月大阪にて開催予定だったはるの会は、秋に延期が決定。 ああ、夏の舞台の前哨戦がなくなってしまった。 ぶっつけ本番か…不安だ… (もちろんリハーサル

【第五話】お稽古場の爆速DX|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

新型コロナで加速するDX(デジタルトランスフォーメーション)の波はお稽古場にもやってきたお…

【第十七話】落ちたモチベーションを上げるあめ玉に出会う|しがない勤め人、国立文楽…

さて、春のおさらい会も終わり、 一年かけて一周回って振り出しに戻ってきた<遠い目 ↓1年前…

【第十八話】場所も費用も(ほぼ)不要な藤コレクションを思いつく|しがない勤め人、…

前話では私、アメとムチのあめ玉をせっせと買い集めていました。 (読まなくても大丈夫、読ん…

【第二十話】扇は万能ツール!|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

藤娘は小道具が多い。 ・黒い塗笠(かぶったり、手に持ったり) ・藤の枝 ・三段笠2個(三枚…

【第二十一話】鬘(かつら?かづら?)も重要アイテム|しがない勤め人、国立文楽劇場…

鬘。 かつら、 と読みたいところだが かづら、 だそうで。 (関西だからかな?) かづら…

【第二十二話】下稽古は聞いてないことばっかり|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘…

本日のミッションその1、かづらあわせが終わりホッとひと息。 仮香盤でましたよー おっしょ…

【第二十三話】下稽古、出来は散々|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

下稽古はどんどん進み、 自分の番が近づいてきたので舞台袖へ。 若い男性がこちらへやってきて、 「あなた藤娘?まあ落ち着いて、いつも通りに」 的な励ましをくださった。 えーと、あなたはだれですか? しばらくすると、黒い塗笠を持った小道具のおっちゃんが現れた。 「そろそろかぶっとこな」 太めの腰紐のようなものを私の額にグッと巻きつけながら、 「本番はな、かづらがあるからもっとこう高こうに安定するんやけどな、今日はこれでごめんな。痛ないか?大丈夫か?」 おっちゃん、や